ごあいさつ
去年いっぱいで、私はクウクウのシェフを辞めました。
今までは、お店にいらっしゃる方々のために、おいしいハレの料理をと作ってきましたが、ひとりの主婦であり、料理家として、季節の移りかわりを肌で感じながら生れてくる、日々のつまらないご飯のことを、もっと大事にしたいと思ったことがきっかけです。
私の作ったものを、じかに味わっていただくことはできなくなりますが、本や雑誌、そしてこの「ふくう食堂」を通じて、こんどは皆さんの手で作っていただけたら、そしてそれを家族の方々やお友だちが食べてくださったら、ほんとうに、それがいちばんのしあわせに思います。
クウクウは今まで通り毎日開いております。若いスタッフたちが、若々しい力を出し合って、ますますおいしい料理を作っているはずです。私もたまに客として、カウンターで飲んだくれていることでしょう。
これからは2足の草鞋ではなく、1足に履きかえた高山なおみと、クウクウを、どうぞよろしくお願いいたします。

2003年 1月1日(水)            高山なおみ

*クウクウは2003年末をもって閉店しました。



ホームページを開いたら、日記を載せたいなと思っていました。
私の仕事は料理なので、そして家庭の主婦でもあるので、ほとんど毎日なにかしら料理を作っているわけですが、(病気の時は作りません)ふだんの暮らしの中から、ぽつぽつとレシピが浮かび上がってくるのが、自分でもおもしろいなと思うのです。
絹さやが山盛り100円のパックを思わず買っていたり、あさりの粒が大きくなっているのが目に残っていたり、図書館で借りた本に影響されたり、夢の中でコロッケのようなだんごのようなのを揚げていたり。
そういうのがどこかでからまり合って、雑誌や本で紹介しているような新しいレシピになったり、KuuKuuの新メニューになったり、家族のためのごはんになったりします。

去年の春に出した「帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ」という本も、そんな風にしてでき上がったのですが、日々のことを、もっと当り前でもっと下世話に、気楽な感じで書いてみたいなとなんとなしに思っていたのが、このホームページを始めるきっかけになりました。
読んでくださる方は、人の日記など読みたくないかもしれませんが、そこに時々レシピや料理のアイデアなんかがはさまっていたら、少しは役に立つかもしれません。
そのうちデジカメを買って、でき上がり写真でも入れられたらなと思っております。
「ふくう食堂」のふくうというのは、福を食うという意味です。
私がシェフをしている「KuuKuu」というレストランのKuuをひとついただいて、「Fukuu」とさせていただきました。
イラストは、しみずた嬢という友人にお願いして描いてもらいました。
制作はすべて夫の受け持ちなのですが、できるだけシンプルにと家庭内でミーティングをして、こんな形になりました。
日記はできるだけ毎日書きたいと思っておりますが、ほんとうにくたびれてしまった時は書きません。
開いてくださった方、どうもありがとうございます。
もしよろしかったら、また立ち寄って覗いてみてください。

2002年 3月3日(日)            高山なおみ



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