ごあいさつ
去年いっぱいで、私はクウクウのシェフを辞めました。
今までは、お店にいらっしゃる方々のために、おいしいハレの料理をと作ってきましたが、ひとりの主婦であり、料理家として、季節の移りかわりを肌で感じながら生れてくる、日々のつまらないご飯のことを、もっと大事にしたいと思ったことがきっかけです。
私の作ったものを、じかに味わっていただくことはできなくなりますが、本や雑誌、そしてこの「ふくう食堂」を通じて、こんどは皆さんの手で作っていただけたら、そしてそれを家族の方々やお友だちが食べてくださったら、ほんとうに、それがいちばんのしあわせに思います。
クウクウは今まで通り毎日開いております。若いスタッフたちが、若々しい力を出し合って、ますますおいしい料理を作っているはずです。私もたまに客として、カウンターで飲んだくれていることでしょう。
これからは2足の草鞋ではなく、1足に履きかえた高山なおみと、クウクウを、どうぞよろしくお願いいたします。
2003年 1月1日(水) 高山なおみ
*クウクウは2003年末をもって閉店しました。
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