2003年9月上

●2003年9月10日(水)秋晴れ

まだ腹はピーピーだが、どうにか元気になった。
あちこち散らかっていたのを片づけ、洗濯をし、玄米ひじき炒飯を作る。
それにしても今日はすばらしい天気だ。
リビングを風が通りぬけてゆく。
炒飯を食べながら、たまっていた新聞を読む。
「向田邦子恋のすべて」という本、発売されたらしい。
新聞広告に小さく出ていた。
表紙の絵のモデルは、何を隠そう私です。
小さい写真だからよく分からないけれど、あんまり似てないみたい。
ぜんぜん女っぽく、面長の綺麗な人になっているようだ。
まあ、いい。
けど実はすごく嬉しい。真ちゃんにずっと描いてほしいと思っていたので。
午後からは、そろそろ仕事らしいことを始める。
金曜日の撮影のメニューを決め、今夜のご飯はテレビの試作だ。
夕方になって、どうにも体がうずうずするんでジムに行く。
帰りに見た今夜の月は、でっかく、お盆のようだった。
今日は時速6キロで30分歩いた。
ゆっくりストレッチをしている時、体が感じる言葉(気持ち)について考えていた。
それは、とても正直なこと。
頭で考えるよりずっと信じられるはずのことだが、言葉にするのが難しい。
それをうまく言葉にできたら、大勢の人にスッコーンと伝わるような気がするのだが。
いや、もしかしたらセンテンスにすればいいのか?。
夜ごはんは、豚肉と白菜のくたくた煮(味噌と酒粕で)、まぐろの中落ち、豆腐のもろみ漬け、玄米。
今は、足が重たくて、だる気持ちいい。
今夜は風呂に入って早く寝よう・・。

●2003年9月9日(火)晴れ、残暑

昨夜もまたまた楽しい飲み会だった。
なんと、ハナレグミのタカシ君と飲んだんです。
とちゅうから郁子ちゃん(クラムボンの)も参加して。
私は二日酔いの迎え酒だったし、すごいテンション上がってしまって、うっしっしーというほど楽しかった。
タカシ君は事務所の人にすすめられて私の本「帰ってから・・」を読み、読みながら私が郁子ちゃんに似ている感じを持ち、郁子ちゃんに読むようにすすめてくれた。
それで1年前に「H」にて、郁子ちゃんとの対談が実現したわけです。
「カラオケにこんどいっしょに行きましょう」なんて誘われてしまった。
わが家にもギターを持って、来てくれるんだって。
どーしよう! じゃあ、あれ歌って、これ歌ってとかお茶の間でやれるワケ? サヨナラカラー歌ッてー、なんて!? すみません。これじゃあただの自慢日記ではないか。
てなわけで、今日はひどい三日酔い。
まったく使いものにならないので、ずっと寝ていました。
スイセイがご飯を作ってくれた。
朝はそうめん、夜ごはんはもやしラーメンだ。
ラーメンは薄味でかまぼこが入っていた。
麺もやわらかめで優しい味で、今日の私にぴったりでした。
では、またこれから寝ます。
私は、酒を飲むと、ほとんど身を削って楽しんでしまうようだ。
翌日はたいていお腹もぴーぴーで、げっそりと疲れ、体重も減っている。
体は確実に歳をとっているというのに、体の中にある気持ちというものは、ますます元気で若返っていっている気がする。
というか、バカになっている気がする。
スイセイはそんな私のことを、棟方志功と呼ぶ。
それにしても二日酔いの時って、しわくちゃのシーツが気持ち良いんだけどなんで? 心も体もヨレヨレだから、シーツもおそろいなのがいいのかな。
これは前に感じたことだけど、風邪をひいて身も心も辛く落ち込んでいる時は、風呂にも入らず、カーテンは閉めっぱなし、部屋もちらかしっぱなしが安心する。
ひきこもりの人は、部屋の中がきれいだと落ち着かないので、カーテン閉めて万年床なんだそうだ。これは前に本で読んだ。
なんか分かるなー、その気持ち。
ゴミのように落ち込みたいんだよな、きっと。
というか、ゴミと同化したいのかも。
今、ゴミを出しに行ったスイセイが「みいよう、ええもん見せてやる」と、得意げに言う。何か拾ってきたのかと思ったら、窓を開けてベランダに。
そこには満々の満月が浮かんでいました。
火星のほくろもついている。
今夜の月は、ほんとうにすばらしい。
昔スイセイは、つき合っていた女の人に、たまたま出ていた美しい月を指さして、「この月を君にあげる」って言ったんだそうだ。
お金がなくて、ご飯もおごってやれないスイセイが。
けど、その人にはそんなシャレがまったく通じなかったらしい。
さぁさ、早く寝よう。

●2003年9月8日(月)曇り、涼しい風

昨夜は楽しかったなー。
カラオケ行っちゃったんです。
朝方(まだ暗かった)帰って来て、時代ちゃんは家に泊まった。
朝の6時半に家を出ないと飛行機に間に合わないと言うので、スイセイは家中の目覚まし時計をセットし、タイマーまで2個セットして寝た。
私も起きて見送るつもりでいたのに、すっかり寝コケてしまい、まったく目が覚めませんでした。
スイセイは、三鷹の駅まで送って行ったそうだ。
私はスイセイのそういうところが、ものすごく好き。
もう10年ほど前になるが、時代ちゃんが東京から奄美に引っ越す時、時代ちゃんのかわりにバイクに乗って、有明埠頭までスイセイが持って(乗って)行ってくれた。
スイセイって、そういうところがある。
友だちに対してびっくりするほど親身なのだ。
その有無を言わせない律義さは、寅さんみたい。
私は二日酔いで情緒が過敏になっているので、ちょっと泣いた。
ところで、今日はまた飲みに行く約束をしているんです。
クウクウのサン(私の弟分)が波照間に行くので、いろいろ教えに行くんです。
だいじょうぶなんだろうか、私。
今日こそ飲みすぎないようにしよう。
そういえば、しおりちゃんはすごく美しくなっていた。
お母さんになるってこういうこと?っていう女の美しさだ。
せつ子さん(クウクウマスターの奥さん)は、週に1回しおりちゃんの家に通っているんだそうだ。和楽を抱きに。
「抱いてるとね、ふーっと気持ちよくなってくるのよ。赤ん坊に癒されてるって感じがするの」と言っていた。
和楽もせつ子さんになついていて、抱かれながらせつ子さんの目を見つめて、何か言っている。ウイとーかバーとか。
あれは赤ちゃんの言語なのだろう。だって、ぜったいに何かを話しかけてるって感じだもの。
それにしても、クウクウってすばらしい。
マスターなんか孫のように可愛がっているし、せつ子さんは乳母のようだし。
これからまだクウクウの娘たちが4人も産むし、マスター夫婦も私ら夫婦も、皆大きい家族みたいな感じなのだ。
昔からクウクウって家族っぽいと思っていたが、こういう展開になるとは。
わが家にちびっこたちが集まって、おやつを食べてくれる日が待ち遠しい。
ほんとにおばちゃんになったなー、と思う私のこの幸福感を、何と説明したらいいのだろう。

●2003年9月7日(日)曇り、涼しい

ひと月ぶりの教室でした。
今日は、じゃが芋のゆで方をやりながら、ごまみそマヨネーズを作った。
メニューは、北欧風ポテトのお焼きと、さんまのごまみそマヨネーズ、かぶの浅漬け風サラダ。
じゃが芋は、キタアカリと農家のじゃが芋と2種類使って食べ比べた。
キタアカリはちょっと黄色っぽく、ねっとりとして、さつま芋に近い感じだ。
私の本の表紙のじゃが芋はキタアカリです。
どちらも、「うーん!」とうなるおいしさだった。
これは私の料理のせいではなく、じゃが芋自体がおいしいのだ。
おいしいゆで方さえやってあげれば、焼きくずれようが少々焦げようが、ぜったいにおいしくできます。
ところで、11月の最後の教室は、卒業制作ということで、それぞれが自分のオリジナルの料理を作ることになりました。
自宅で準備してきてもいいし、ここで作ってもいい。
デザートでも漬物でも何でもいいけれど、季節ものということだけを課題にしました。
どうかな?とも思っていたのですが、皆の目が「やってみたい!」という色にぐんぐん変わっていったので、即決定! 私も何か1品と、ワインやビールを用意しておくことになりました。
つまり、持ち寄りパーティーみたいなもんだ。
今からすごく楽しみだ。
今夜は7時から、クウクウで飲み会があります。
奄美から時代ちゃんが出てきたので。
時代ちゃんはクウクウの創立メンバーで、会うのは3年ぶりくらいだ。
しおりちゃんも永谷(だんな。彼こそいちばん最初の創立メンバー)と赤ん坊を連れて来る。
たぶんマスター夫妻も参加するだろう。
すごーく楽しみ。
でも飲みすぎないようにしよう・・。
キタアカリですが、八百屋さんに行くとけっこう置いてあるところがあるのでは? 家の方では、「長崎産男爵」とか「熊本産キタアカリ」とか、ダンボールに書いて売っています。
新じゃがもいいけれど、じゃが芋って、寒くなるほどおいしくなっていく気がしますね。

●2003年9月6日(土)曇りのち晴れ、残暑

昨夜の夢は、なんとなく教訓じみていた。
同じ料理家でも、コマーシャル用の料理撮影や、雑誌の広告用の撮影を中心にやっている人がいて、その人はいつも忙しく、華やかに働いている。
毎日それなりにくたびれながらも、仕事の波に乗って、次々新しいことに挑戦してゆく。
そんな元気な女性の夢だった。
とても素敵だったけど、憧れもするけれど、自分はちがうんだよなーと、目が覚めてからぼんやり考えていた。
私は、もっともっと自分らしく、自分にしかできないことをやらないとだめだよな、なんて、ちょっと焦燥感にもかられたりして。朝っぱらから。
私は毎日家のご飯を作りながらも、一般の人よりは細かい目で料理のいろいろについて観察していると思う。それが仕事だし。
そこで気がついたことや、新しい発見を、メディアを通じて皆さんにお伝えしたい。
日々のことなので、つまらない発見だが。
けど、つまらない雑多なことほど、本当はだいじだ。
布団の中でもたもたと、あーでもないこーでもないと考えていたら、シンナーの匂いが。
スイセイがベランダのスノコを塗ろうとしている。
昨夜、一緒に塗ろうと約束したので、頑張って起きました。
風呂に入って目を覚ましてから、私も手伝う。
首にはタオル、マスクに麦わら帽子にゴム手袋の完全装備で。
塗り始めたら、たのしーくなってきた。
乾かしている間に、次の撮影のレシピを書いてしまう。
撮影はまだ先だが、私はある程度レシピを書いてから試作するのが好きなので。
シュウマイを作ったので、今夜のご飯は中華料理でまとめました。
小松菜とほうれん草の炒めもの、揚げかじきの甘酢漬け(ナナ子さんの真似をして、ゴーヤときゅうりの塩もみを下にしいた)、冷やしトマト、中華スープ(あまったシュウマイの皮と溶き卵で)、玄米。
今日の「すいか」は、すごくおもしろかった。
女たち(キョンキョンも含め)全員が、適当に距離感がありながらも優しく、べたべたしてないのがいい。
そしてこのドラマは、毎週必ずおいしそうな晩ご飯が出てくるが、今回はストーリー上なしであった。
そのかわり、夜遅く帰って来た皆に、市川実日子ちゃんが麦茶をついであげるシーンがあり、グッときました。
つまらない水差しに入った、ただの麦茶だ。氷も入れない。
料理関係のコーディネーターさんは、いったいどなたなのだろう。
こういう裏方っぽい仕事って、憧れるなー。

●2003年9月5日(金)またも快晴、涼しめ

「いい天気ですね〜!」と、しおりちゃんからメールがきた。
「〜!」を見て、しおりちゃんは元気なのだなと想像する。
おっぱいをあげるので、昼も夜もなく寝不足だろうとは思うが、きっと赤ん坊がかわいくてたまらないのだろうな〜と思い、私まで嬉しさが伝染する。
私の方は、どんなに少なくても洗濯している今日この頃だ。
空気がカラッとしているのですぐに乾くし。
午後から歯医者へ。
ばんざい!やっと今日で終わりました。
夕方、スイセイを誘って散歩がてら買い物に出る。
紀伊国屋、おいしい魚屋さん経由で八百屋にも寄った。
ウォーキングのように腕をふり、早歩きでてくてくと歩く。
今日もまたいい夕方だった。
ちょうど夕陽がさしている時間で、木々が茂った暗いところまで、緑のグラデーションがくっきりとしていた。空気が澄んでいるのかも。
夜ごはんは、しめ鯖、しま海老の刺し身、ほうれん草とわかめの煮浸し、ゆでじゃが芋のバターじょうゆ炒め、黒ごま豆腐、きゅうりもみの甘酢和え(塩鮭の残りを混ぜたらバッチリだった)、かまぼこ(川原さんの山口土産)、しじみの赤だし、玄米。
川原さんのかまぼこは、ストローみたいなのが周りについている筒状かまぼこです。
言われた通り、手でちぎって盛りつけたら、粋な感じになった。
包丁で切るよりもぜったいに素敵だし、歯触りもおもしろい。
そして、すごーくおいしかった。きっと上等なかまぼこにちがいない。
食器を洗って、いつものように市松模様の床を拭いていたのだが、ふと思い立ち重曹でこすってみた。
薄汚れていた白いところが、えっ?ていう感じできれいになってゆく。
仕上げによくふき取らないと、なんとなく粉っぽいのが難点だがな。

●2003年9月4日(木)快晴、空気はひんやり

昨日の雷で夏が終わり、今日からは秋らしくなると天気予報で言っていたが、本当にその通りになった。
ツクツクボウシは鳴き、陽ざしは強いのだが、空気の芯がひんやりとして、避暑地のような涼しさだ。
昨夜、「バナナオムレツ」っていうのをカリビアンレストランのシェフに教わった。
夢の中の話っす。
けっしてお菓子ではなしに塩味なのだが、ほんのり甘く、ふわふわのオムレツだった。
目が覚めてから、しばらく復習しました。
それはこんなレシピだ。
卵3個にバナナは1/2本。バナナは縦半分に切る。
溶き卵に塩、黒こしょうし、バナナを入れたら、冷たいバターを少し混ぜるのがコツだ。
さらにバターを溶かした小さいフライパンを傾けながら、ササッと強火で焼く。
傾けながら、というのもコツだと教わった。
さて、今日は仕事らしいことでもしようと思い、たまっていたゲラチェックだ。
「6時くらいにジムに行かんか?」と、今スイセイに誘われました。
行ってきました、ジム。
行く時に歩きながら、「今日はええことがあった日みたいな、ええ夕方じゃのう」とスイセイ。自転車の立ちこぎをした小学生の女の子ふたりが、爽やかに通りすぎた。
涼しくて、空は薄青く、ほんとうにそんな夕暮れでした。
農家の茄子を、また買ってしまう私。
夜ご飯は、茄子の油焼き(油少なめで焼きつけるようにした)、ゴーヤとピーマンのじゃこ炒め、塩鮭、きゅうりとコーンのサラダ(私)、きゅうりとセロリのサラダ(これはスイセイ用。スイセイはコーンが嫌いなので)、ひじき、かぶの味噌汁(昨夜の残り)、玄米。茄子がまたまたおいしかったなー。
食べ終わって、ゆっくり寅さんを見る。
私は3回くらい泣いた。
式根島って、調布から飛行機で行けるんだ。
私「こんど行こうか」スイ「ええで。でも高いでー」 私「あんな小さい飛行機だよ」スイ「乗ってみたいのう。でも高いでー」 寅さんを見ながら、旅行の相談をする夫婦であった。

●2003年9月3日(水)晴れ、かなり暑い、夕方雷

「ゲド戦記」読み終わりました。
ふー、長い旅だった・・・。
しかし著者のル・グィンはすごい。
全作続けて読んでやっと分かったが、この人の頭の中ではすでに1巻目ですべての構想がほぼでき上がっていたと思われる。
そして完結するまで、25年以上の歳月を費やしているのだ。
その間寄り添ってきた、翻訳の清水真砂子さんもまたすばらしい。
おふたりとも、尊敬するおばあちゃんだ。
それにしても夏休みの必読図書みたいだったな。
読み終わるまで、何も手につかなかった。
あー、それにしてもいい旅だった。
胸には今、終わってしまった淋しさで、小さい穴があいている。
夕方ジムに行った。
帰る時、すごい雷。
夜ごはんは、タラのコロッケ、キャベツ千切り、茄子の炒め煮、きゅうりとセロリの塩もみ、冷やしトマト、玄米、かぶの味噌汁。
夕方りうが来た。
前髪を自分で切りそろえたらしく、可愛らしいりう。
コロッケは、こんどテレビでやる簡単バージョンだ。
りうに手伝ってもらいながら、楽しく作る。
家の夫婦は最近老夫婦みたいになっていたが、りうが来たことでいっぺんに華やいだ。
ポメリーのシャンパンなんか買ってあったので、急きょスイセイとりうの遅い誕生日会になった。
ゲド戦記を読んでいた時、りうとテハヌーが私の中でずっと重なっていた。
ってことは、テナーが私でゲドはスイセイだ。
お恥ずかしい話だが、ついそうやってその気になって読んでしまう私だ。

●2003年9月2日(火)晴れ、蒸し暑い

昨夜もまた4時まで「ゲド戦記」を読み耽った。
午後、川原さんがお土産を持ってフラッとやって来た。
はんぺん(さつま揚げ)とかまぼこ、ういろうと地酒の小瓶だ。
山口に行っていたんだそうだ。
川原さんもけっこう陽に焼けて、元気そうだった。
かまぼこは切って食べるんではなく、「むしって食べるのがご馳走なんだよ」と言っていた。
川原さんといると、つい盛り上がって、昼間でもなんでもビールが飲みたくなるんだけど、じっと我慢した。スイセイもお土産の地酒を目の前に置いて、一瞬飲みたそうにしていたが、我慢しているようであった。
そう、私たちは今ダイエット夫婦なのだ。
川原さんも図書館にイラストの仕事をやりに来たので、早めに切り上げ帰って行った。
そして私は、「ゲド戦記」の続きを読む。
とちゅう、固くなったチーズを発見したので、ちびちびかじりながら読んだ。
4巻を読んでいる時には、赤ワインがすごく飲みたくなった。
すっかりアースシーの世界にはまっている私だ。
今、3巻目に突入しました。
ご飯を食べ終わったら、またゲドタイムだ・・。
今夜は蕎麦にした。
焼き茄子(八百屋の長茄子でも水をかけなかったら、やっぱりねっとりしておいしかった。でも農家のに比べたらちょっとだけ味が薄いかも)、焼きピーマン、川原さんのはんぺん、かぶの葉おひたし、冷や奴、とろろ芋。

●2003年9月1日(月)曇り、涼しい

昨夜は、寝る時に虫の声がよく聞こえていた。
布団の中でじっと聞いていたが、その静けさが体にじーっと染み入る感じが、幸福なようでもあり、少し怖いようでもあった。
その怖さは、もしかしたら子供の頃の記憶と関係がある気がした。
なんか、永遠っていう感じなのだ。
朝から掃除機をかけ、床をぞうきんがけしてワックスまで塗った。
私は波照間からこっち、ずーっと元気な気がする。
仕事がたて込んでないこともあるだろうが、ジムのせいもあるかも。
そして心の底にはずっと、波照間の地面や木がそよいでいる。
2時からテレビの打ちあわせ。
このところ月に1回のペースでテレビの収録をしているので、もっと減らしてくださいとお願いしたところ、けっこう驚かれた。
「普通は、出たい、出たいーっておっしゃるのに、変わってますねー」。
私はいつまでたってもテレビが苦手なんです。
雑誌や本の方が、私に合っているんです。
けど、「高山先生はキャラクター的にもテレビ向きなんですよ」なんてディレクターさんに言われた。
そうなのか? 終わってからジムに行く。
土日は混むだろうから避けていたのだが、体がずっと行きたがっていたんです。
今日は早歩きを30分やった。
この機械は、ヘッドホンで音楽を聞きながらやれる。
カセットテープ、今日はいいのを持って行った。
もう20年くらい前に友達が作ってくれたテープだ。
セックス・ピストルズから始まり、ニナ・ハーゲン、キュア、クラッシュ・・と続くのです。
ニナ・ハーゲンのマイウェイはすごかった。
どんどん歩くのが早くなって、絶好調だった。
前回はグールドを持って行ったが、いかに運動に向いていないかが分かりました。
しかもこのテープは、片面でちょうど30分なんです。
さて、帰りにいつもの八百屋さんで野菜をしこたま買う。
ピーマンが1袋いっぱい詰まって100円だった。
泥つきごぼうも太いのが150円だ。
今はスイセイがいるから私は毎日ご飯を作れるが、いつかひとりになった時、いったいこの「ご飯作りたい欲」はどう満たせばいいのだろう。
なんて、最近ふとそう思う。
その時は店でもやるんだろうな、なんて思ったりして。
どっちにしろ、うんとばあさんになってからだろう。
さて、図書館にも行ってきました。
「ゲド戦記」を1巻から読み直すつもりなんです。
夜ご飯は、鯵のなめろう、鯵の塩焼き(刺し身用を2匹買ったので、スイセイのリクエストに答えて)、ごぼう、にんじん、ちくわ、大根、こんにゃくの筑前煮、セロリときゅうりの塩もみ(薄塩にしてコチュジャン、酢、しょうゆ、ラー油を合わせてかけた)、冷やしトマト、豆腐とアオサの味噌汁、納豆、玄米。



日々ごはんへ めにうへ