2004年10月下

●2004年10月31日(日)薄曇り

天気予報では雨だったから、すっかりそのつもりでいたのだが、朝起きたら晴れ間が出ていた。
大急ぎで、たっぷり洗濯。
しかし、どんどん曇ってきました。
厚い雲が重なって、波波になっている。
今は、雨が降らないことを祈る。
私はすぐ良い方にものを考える質なので、こういうことはよくある。
まあ、何とかなるだろう。
朝ごはんに、張り切って蕎麦ガキを作ってみたのだが、スイセイとノリが合わず(あまりお腹が空いていない上、もっとフワフワ柔らかいのがいいそうだ)、私はイライラして作り直しに台所へ。
スイセイはつけ汁をベンチの布の上にぶちまけ(わざとではない)、益々私はイライラして、すぐに洗濯。
蕎麦ガキは、もう作るまい。
まる子の時間に合わせて、あとで買い物に行く予定。
そして、明日の撮影用の仕込みで豚を煮れば、今日の仕事は終わりだ。
夜ごはんは、湯豆腐(タラ、豆腐、白菜、椎茸、葛切り)、鮪の梅ねぎ和え、黒米入り玄米。

●2004年10月30日(土)ずっと雨

しとしととよく降るけれど、ちゃんと起きました。
一応は休日なので、大らかな気持ちで過ごす。
朝ごはんは、鍋焼きうどん(コンビニの)をスイセイと半分ずつ。
畳の部屋で、今まで撮った単行本のサムネイル(ページ割りみたいなもの)を、じーっと眺めながら、次のメニューの決定打を出す。
すでに先週出したのに、また変更だ。
こういう微妙な変更は、撮影当日まで続くだろう。
来週の木曜日から最後の撮影が始まるので、今はじっくり力をためているという感じ。
雨も降っているし、気分も落ち着いているのだが、穏やかな興奮状態だ。
風邪をひいて寝込んだのも、関係があるかもしれない。
すべては本に向かって、準備をととのえているのかも。
夜ごはんは、京人参とクレソンのサラダ、茄子とひき肉の味噌炒め、里芋の煮っころがし、大根の味噌汁、玄米。
清水さんの大根、千切りにして味噌汁に入れたら、食べごたえのある野性的な味がした。
繊維がしっかりしていて、やたら水っぽくない。
最近、野菜不足だったから、こういう断固で昔風の野菜が食べたかった。

●2004年10月29日(金)快晴

昨日は、とにかくひたすら寝ていた。
スイセイが作ってくれた柚子茶(NHK永野さんの韓国土産に、清水農園のカボスをしぼった)が、じりじりと咽にきて染み込むようなおいしさだった。
夜作ってくれた、コンビニで買って来た鍋焼きうどんも、超おいしかった。
清水さんの椎茸が、舳ごと厚く切って上にのっかって、だしがお汁にも染みていた。
タオルを絞って頭にのせてくれたり(1回だけだが)、スイセイのかいがいしい看病のお陰で、今朝はどうにか復帰しました。
9時に起きて、ゆっくりと風呂に浸かり、掃除機をかけ、洗濯物も干した。
11時集合だったところを12時にしてもらって、「天然生活」の撮影。
みどりちゃんの器の風潮と、最近の私の中の流行り(作りたがっている料理の風潮?)が、お互い偶然にもぴったりと合わさった撮影だった。
しかもまた、斎藤君がいつもに増してピンのがっしり決まった写真を撮ってくるものだから、無言のエネルギーにじわじわと触発されて、私は高揚し、面倒なことはざっくり省いた良い料理ができた。
まだちょっと本調子じゃないところが、かえってよかったのかも。
頭や、余計な感覚を使わずに、無心になっていたような気がする。
地面に穴を掘るように、木を削るように、素朴な気持ちでやったら、力強くおいしい料理ができちゃった。
あともう1日、撮影日を余計にとってあるので、楽しみだなー。
5時にはすべて終わり、みどりちゃんの車に乗せてもらって、西荻の「魯山」に行く。
夜ごはんは、大根と生ハムの重ねサラダ、大根葉のお浸し(清水さんの)、里芋(清水さんの)の味噌汁、卵かけ玄米ごはん。
昨日は日記を書けなかったので、今日は書きたいことがたくさんあります。
まず、クウクウのマスターが新しい本を出しました。
『桃の楽々』南椌椌(くうくう)著、未知谷刊行。
マスターは、今まで絵本は何冊か出していたけれど、こんどのは写真集。
粘土をこねて作った素焼きの人形(テラコッタ)の写真を自分で写し、文章も書いている。
昨夜、私は熱っぽい頭でずっとこの本を眺めていた。
のうのうとしていたり、満面の笑顔もあるし、あきらかに抜けている鼻がつまった幸せそうな顔もある。
愛ちゃんと加藤君の(ふたりとも元祖クウクウスタッフ)赤ん坊にそっくりな顔のもあった。
私がクウクウにいる時から、マスターは続々と人形を作っていた。
いちど作っているところを見たことがあるが、指がどんどん動いて、粘土を触っていたら、ついできてしまうみたいな感じだった。
顔だって、無造作に穴をあけているだけにしか見えないのに、人格みたいなのが入っている。
ここ10年の間、1年に100体くらい作ってきたそうだ。
メキシコから帰って来た頃のマスターは、すっかりメキシコの王様(バカどの風)の顔になっていて、カウンターに座れば、テキーラばかり舐めていた。
その時の人形は、メキシコの肌の色をした子供の顔だった。
クウクウの子たちに似た人形も、なんだかついついできてしまうそうで、韓国の土で焼いてきた人形には、やっぱり韓国っぽい乾燥した冷たい風の匂いがあった。
今まで作ったすべての人形を、4畳半の部屋にぎっしり並べて、棚にもぎっしり並べて、柱時計の中にも、電気の笠の上にものせ、その真ん中にマスターがあぐらをかいてこっちを向いている写真を、私は見てみたいなー。
マスター王国には、怒った顔の人は誰もいない。
どちらかというと知恵が足りなく、無邪気で、気が優しくて、力持ちい〜〜だ。
「クウクウ」という店は、やっぱここの国から生まれたんだなーと、マスターのやけに真面目な文章を読みながら、ちょっと私はじーんとしました。
さて、話はもどるが、どうして風邪をこじらせたかと言うと、清水さんの里芋ほりの帰りに、ライトバンのやきとり屋をみつけたからです。
「ちょっと寄ってこうかー」が、飲み始めたら止まらなくなってしまったのだ。
畑の向かいの道端で、ロケーションばつぐんの、熱燗とやきとりだもの。
川原さんに会うのも久々だったし。
途中からスイセイも呼びだしたのが、益々いけなかった。
10時にはおいとましたが、すでに自転車に乗れないほど、いい感じになっていた私。
だけど、必ず咳がつらい風邪を毎年ひくが、今回は鼻水だけだった。
これは、煙草をやめたせいもあるのかも。
昨夜、風邪ひいてすっかり反省モードになっていた私に、「ほいじゃけど、みいも川原さんも楽しかったんよ。だからええんよ」と、スイセイが言ってくれた。
清水さんの畑は、キャベツも白菜も、順調に巻きが進んでいた。
ブロッコリーも、先週見たばかりだからどうなったかなーと、親戚の娘の成長を見るような気持ちだったが、確実に大きくなっていました。小学生くらいだろうか。
前回の台風は、本当にたいしたことがなくてよかった。
清水さんは、トマトが植わっていたハウスの土を耕していた。
耕すというか、ヤブガラシやスギナの根っこが頑固にはびこっているので、素手で取り除く作業をしていた。
そして夏の間、ぼうぼうと元気にはびこっていたあの赤紫蘇は、花穂ごとすっかり立ち枯れて、種ができていた。
これが自然に下に落ち、また来年の赤紫蘇が育つのだ。
前回行った時には、清水さんがオクラの種をとっているところだった。
オクラは、ミイラみたいに茶色くひからびていた。
収穫が終わっても、すぐに刈り取らずにそのまま放っておくと、種ができるわけだ。
畑に行くようになってから、ハッと思ったことのひとつがこれだ。
野菜には、それぞれサイクルがあって、全部が季節の移り変わりとつながっている。
当たり前のことかもしれないが、私はその無駄のなさに、とてもガッテン!した。
大根を抜き、蕪を抜き、椎茸もぎもやらせてもらい、川原さんは子供の頃を思い出したとしきりに言っていた。
土を触っていたら、どんどん細かいことまで思い出したそうだ。

●2004年10月28日(木)分からない

風邪で寝込む。

●2004年10月27日(水)薄曇り

風が強くてけっこう冷える。
やはり、咽の痛みは風邪のようだ。
10時半くらいに、また横揺れの地震があった。
揺れながら、「新潟の人たち頑張ってください・・・」と、腹の底に力を入れて祈る。
この間、みどりちゃんちの撮影の日、スタッフの朝ごはん用に、塩むすびと三年番茶が魔法瓶に用意してあった。
朝、新米を鉄鍋で炊いて、みどりちゃんがにぎってくれた塩だけのおむすび。
「パックのご飯を温めないで食べてるのをテレビで見たんだけど、新潟は米どころなのにね。あの人たちに食べさせてあげたいけど、申し訳ないなーと思いながらにぎったよ」とみどりちゃんは、言っていた。
その塩むすびが、本当においしかった。
丸とも三角とも言えない、角がとれた三角みたいな大きい形で、しっかりにぎられている。
なのに、ひと粒ひと粒のお米がちゃんとふんわり立っていて、でーんとまるい。
作り慣れている、揺るぎない味と形。
田舎のおばあちゃんが作るおにぎりだよ、あれは。
すごいなー、みどりちゃん。
私も、そういうのがおいしい料理家になりたいな。
さて今日は、これから川原さんと一緒に、清水さんのところに里芋ほりに出掛ける。
北風だから防寒をしてくるように言われているので、バッチリ着こんで、マフラーも用意した。
ちょっと鼻がぐずぐずするが、さっと行って、さっと帰って来よう。

●2004年10月26日(火)ずっと雨

なんと3時過ぎまで寝ていた。
この小雨の音が、子守歌みたいでいいのです。
でも、寝ながら何を書こうか考えてもいたので、夜までに、気になっていたコラムを1本書き上げた。
夜ごはんは、鷄だんご鍋(砂ぎもと鷄のもも肉をたたいてひき肉に加え、つくねにした。野菜は白菜だけ)、納豆、黒米入り玄米。
だんご鍋、スイセイにとても好評だった。
今日は買い物に行きたくなかったので、残りもの総ざらいメニューなんだけど。
そして私は、1日中パジャマで過ごしました。
何となしに咽の奥がカラッと痛いような気がするが、もしかして風邪だろうか。

●2004年10月25日(月)曇り

頬っぺたが白くて、口ばしがオレンジ色の鳥がきている。
何の鳥だろう。
尻尾の先だけが白く、わりとスマートな鳥だ。
たまに早起きすると、こういうのが見れるから嬉しい。
さてと、では、みどりちゃん家に行って来ます。
今、「チーチーチューイ」と鳴き声が聞こえた。
これは、ムクドリの声ではないか?。
というわけで、9時ちょうどに帰って来ました。
くたびれてはいないが、超ねむたい。
みどりちゃん宅での撮影は、楽しかった。
新居さん、編集者、みどりちゃんの3人は、ポラロイドを見ながらあーでもない、こーでもないと、ページ作りに余念がないが、私には分からないことなので、窓から広がる都会のでっかい景色を眺めたり、台所にこもっておいしいものを作ったりしていた。
女ばかり4人だし、風通しもいいし、なんたってレシピがないので、すごーくらくちんだった。
全部終わってから、火鉢に熱燗で、うるめなんかも炙り、柚べし(陶芸家の島るりこさんが作ったもの)、漬けもの(るりこさんから教わったレシピのみどりちゃん作)、きんぴらごぼうなんかで、軽く飲んでお開きになった。
それにしても、みどりちゃんの台所って、器がたくさんあるのは職業柄だとしても、食材がいっぱいあっておどろいた。
しかもおいしそうなものばかり。
家に帰ってからつくづく思ったけど、家って質素だなー。
冷蔵庫なんか2個あるけど、スカスカだもんな。
いろんな食材があると、私は落ち着かないのだ。
野菜でもなんでも、全部自分が把握していないと不安になるし、たまりそうになると、おいしいうちに食べきれないと心配で、すぐに誰かにあげてしまう。
まあ、これも職業柄だろう・・・というか、これって店の厨房の考え方に似ているのかも。
たまに人の台所を使わせてもらうと、おもしろいものだ。
というわけで、帰ってからすぐにお湯を沸かし、ブロッコリー入りのたらこ&スモークサーモン・スパゲッティを作る。
こういう時のブリッコリーは、ちょいとゆで過ぎくらいの方がよくからまっておいしいな。

●2004年10月24日(日)ぼんやりした晴れ

りんごがたくさん送られてきた。
鈴木マキコちゃんが、群馬から送ってくれたのだ。
農園のりんごの木の収穫を、1本分買い取った(?)のだそうで、「子供たちと収穫したら、ダンボールに9箱も穫れちゃったんだけど、みいは食べる?送ろうか?」と、昨日いきなり電話があった。
それで今朝、大きなダンボールいっぱいの、穫れたて真っ赤なりんごが届いたのです。
大きいのや中くらいのや、ぴかぴかして40個もある。
「陽光」という品種だそうで、「おいしいよー、このりんごは」と、マキコちゃんは自信たっぷりに言っていた。
宅配便のお兄さんは、3階まで運ぶの重たかったろうな。
起きてすぐ1個を丸かじりし、スイセイには皮をむいて食べやすく切ってやる。
うーん、おいしいなー! サクッサクッと固めでみずみずしく、変な甘みがない。
さて、これを誰と誰におすそ分けしようか・・・と考えあぐねる豊かな気持ちだ。
最近、秋の収穫物がいろいろ送られてくる。
それほどの変化もなく、だらだらと都会で暮らしている私のところに、豊かな秋の恵をいただけるのは、とても嬉しくもったいない。
みな、台風や自然の厳しさをくぐりぬけてきた、ありがたい作物だ。
秋田のササ坊のぶどうから始まって、金沢の朝ちゃん(「のらぼう」マキオ君の姉さん)が、畑で作ったサツマ芋とマスク・メロン、編集のはる美ちゃんからいただいた、栃木のおいしい黒米、そして、マキコちゃんのりんごだ。
明日撮影があるので、夕方からぼちぼち仕込みをやる。
大豆クリームチーズ、たらこクリームチーズ、そして、大粒の干しぶどう(枝についたやつ)があったで、チーズ王国で買ったおいしいクリームチーズにざっくり合わせてみた。
干しぶどうは刻もうかと思っていたが、食べてみたら、そのぷっくり感をいかしたくなったので、そのままの粒で入れた。
他のドライフルーツが入らずに、それ1種類なのもいい感じだ。
これは、きっとみどりちゃんが喜ぶと思う。
明日の撮影はみどりちゃんの手伝いなので、黒子っぽく参加するからレシピはいらない。
いつもは、みどりちゃんが私の料理に合った器やクロスを用意してくれるが、明日はその逆で、みどりちゃんのコーディネイトに合わせ、私がアドリブも含めて料理を作るっていうわけ。
カメラは新居さんだし。
ひさびさにわくわくと、遠足の前の日みたいな気持ちだ。
というわけで、仕込みを終えて大慌てでテレビをつけてみたが、今日は野球でもって、まる子もサザエさんも休み。
仕方がない、ウルルンと情熱大陸にかけよう。
そして今夜は、はよ寝よう。
夜ごはんは、サツマ芋(朝ちゃんの)の天ぷら、カジキマグロのにんにく味噌焼き、蕪の葉(清水さんの)のナムル風(ゆでて塩、ごま油、黒こしょう、すりごまで和える)、大豆の味噌汁、黒米(はる美ちゃんの)入り玄米。
スイセイはサツマ芋の天ぷらがよっぽどおいしかったらしく、「おいしいー!」「うまいー!」と上を向いて、何度か叫びながら食べていた。
「上等なお菓子みたいな味ようのう」、とも。

●2004年10月23日(土)晴れのち曇り、暖かい

11時より撮影。
さくさくと1時には終わった。
ちらっとちよじが遊びに来て、近況をいろいろ聞く。
ちよじは、家にいた頃よりもいい感じになっている気がした。
何というか、会う前に私が想像していたちよじに、今の方がぴったりくる。
いいなぁと感じていたちよじらしさというものが、スッキリと出てきて、輪郭がシャープな感じ。
スイセイも、「綺麗になったよのう」と言っていた。
美容院に行って、帰りに「おいしい魚屋」さんに寄る。
スーパーで買ったねぎが、冬の長ねぎになっていて驚いた。
つい先週までは、細っちいのしかなかったのに。
大きな地震が2回あってから、ずっとテレビを見ている。
夜ごはんは、肉豆腐(しらたき入り)、しめ鯖、冷やしトマト、板麩と大根葉の味噌汁、おいしい塩辛、玄米。
電気ストーブをつけて、地震のニュースを見たり、他のチャンネルに回したりして、夜遅くまで延々とテレビを見ていた。

●2004年10月22日(金)快晴

久々のはっきりした晴れ。
起きてすぐに、たまっていた洗濯物を2回戦やりながら、布団の中で本を読む。
あまりに晴れているので、とちゅうから布団を干し、畳の上に寝転んで続きを読む。
幸田文の、木についてのエッセイを読んだ。
ばあさんになってからの作品だと思うが、実際に林に入ったり、木を触ったりの取材をしながらの文章だ。
この人は強いなー、と感心した。
好奇心と思いがしつこく、熱くて、火花が飛びそうだ。
ちょっと、先輩に応援されているような気持ちになった。
昼ごはんは、この間大量に作った中華丼のあんかけを使ってやきそばを作る。
夕方から、明日の撮影用におでんを煮始める。
実験で、スイセイがきのこご飯を炊いてくれるので、おかずは昨夜の残り物オンパレードにする予定。
「今夜は変なごはんでもいいか?」と聞くと、一瞬の沈黙の後、「最近いつもそうじゃん」とスイセイ。
きのこご飯は1合分しか炊けないので、玄米も炊いて、納豆とほうれん草のお浸し、米茄子の油焼きを作る予定。
あとは、大根葉の炒め物(残り)、秋刀魚の開き(残り)。
米茄子の焼いたのがとてもおいしく、「うまいの、これは茄子のトロじゃのう」とスイセイは喜んでいた。
清水さんの、名残の米茄子だ。
「日々ごはん2」の表紙は、清水さんちの米茄子を見て、川原さんが描いてくれました。

●2004年10月21日(木)曇りのち晴れ

撮影の前に、昨夜から決めていた卵チャーハンを作る。
「きょうの料理」でフーミンさんが、昨夜チャーハンを作っているのを見た。
それがとてもおいしそうで、分かりやすく、私も真似して作ってみたくなったのだ。
ちょうど焼き豚もあったし。
油をたっぷり入れた中華鍋をしっかり焼いてから、油を捨てて溶き卵を入れ、半熟のところにご飯をからめていくという作り方。
味つけは、塩とこしょうだけ。
酒が小さじ1で、しょうゆはほんの数滴だ。
今日の撮影のスタッフがそろそろ集まり始めても、真面目に中華鍋をあをり、しっかりレシピに忠実に作ったら、本当においしくできました。
ふんわりなのに、パラパラしている。
ご飯の一粒一粒に卵がやわらかく絡まっているのだ。
すごいなー、フーミンさんは。
何年もずっと作り続けているレシピだろうし、作り方のコツを説明するのにも、頭ではなくて体の感覚のようなところで教えていらっしゃる。
声もいいし、表情もいいし。
お店をやっている方のプロのコツなんだけど、どこか家庭っぽいのは、母親の感性なのだろうか。
いっぺんでファンになってしまいました。
これは、スイセイの朝ごはん。
12時から撮影とインタビュー。
ベテランのカメラマンさんが、いろんなカットをじっくり丁寧に撮ってくださる。
彼は頻繁に海外に出掛けて写真を撮っている方らしいが、とても良い空気をかもし出している人だった。
どんな人をも安心させる自然の笑顔と、穏やかな声と、動作が安定しているというか。
たぶん、こういうことって万国共通で、外国に行っても通用するだろう。
人間同士も動物同士だから。
海外遠征のカメラマンとしては、だいじな身だしなみなのかもしれない、なんて思った。
でももしかしたら、彼の持って生まれた品性というものかもしれないけれど。
というわけで、はる美ちゃんにインタビューもされながら、全部終わったのは4時をまわっていた。
明日は、誰にも会わずに休日にしたいので、仕込み用の食材を買いに行く。
けっこうぐったりとくたびれていたけれど、図書館にも行って10冊借りてきました。
読書の日にしようと思って。
仕込みは、おでんだ。
これはあさっての撮影用。
夜、清水さんからメールが届いていた。
昨日の台風は、それほど風害がなかったそうで、ひと安心。
この間行った時、ひとつだけ出てきたばかりの、500円玉くらいの赤ちゃん椎茸が、りっぱな肉厚椎茸に成長した写真も添付されていた。
「夕飯にのせます」と書いてありました。
夜ごはんは、秋刀魚の開き、たっぷり大根おろし(清水さんの)、大根葉(清水さんの)と豚こまの炒め物、まぐろの中落ち、コロッケ(スーパーの)、三つ葉の味噌汁、玄米。
食べている最中からすでに眠くてたまらず、食べ終わってテレビを見ながら、11時まで昼寝(夜寝)する。
ちょっと元気になったので、風呂に入って、今これを書いているところ。
明日は晴れるそうだ。



日々ごはんへ めにうへ