2004年11月中

●2004年11月20日(土)快晴

久々のカラッとした晴天。
掃除機をかけ、洗濯もする。
昼ごはんに、トマトソースのスパゲッティを作ったが、スイセイはあまり食べてくれない。
今、スイセイはいろいろ作ったり、考えたりしていて、すっかり頭の中が忙しく、私のペースではないのだ。
そういう時って、ものが食べられないものな。
しかし、作りがいのない毎日だ。
私はというと、ぐっとパソコンに向かって集中できたおかげで、原稿を1本書き上げた。
スイセイが出掛けているので。
夜ごはんは、塩豚焼いただけ(フライパンに残った脂でねぎを炒めても、おいしい焦げつきが残ったので、小松菜も炒めてみた。酒とニョクマムで軽く味つけ)、キャベツとにんじんのサラダ、ふわふわとろろ納豆(今日発売の、クウネルのみどりちゃんレシピを見て、思い出して作った。今日のは、昨夜のとろろ芋が残っていたので混ぜてみました。日置さん経由でみどりちゃんのところに伝わったらしいが、名前が、とろとろごはんになっていて笑った。長芋も、私が作るよりたっぷり入っているし、納豆が大粒なのも、塩で味をつけるのも新鮮。素晴らしき!伝言レシピだ)、玄米。
伝言レシピのおいなりさんも、おいしそうー。
ご飯を酢飯にするのではなく、らっきょうを刻んで入れるそうだ。
らっきょうは酸っぱいし、しそちりめんを混ぜるというところもいいな。
写真を見ると、こっくりと甘じょっぱそうな油揚げがおいしそう。
今度、ぜひ作ってみよう。
そういえば、日置さんが作るマカロニ・グラタンもおいしそうだったな。
前に口で教えてもらったが、チーズをのせずに、ホワイトソースだけで和えて、オーブンで焼くのだそうだ。

●2004年11月19日(金)雨

ちょっと二日酔いでもあり、今日は休日ということにして、思う存分寝ていた。
雨もしとしと降っているし。
スイセイがお出掛けなので、「もののけ姫」をじっと見ながら、ひとり夜ごはんを食べる。
メニューは、塩鯖、小松菜のお浸し、とろろ芋、キャベツの味噌汁、玄米。
やらねばならないことはたくさんあるのだが、すべて明日からにまわそう。
そして、また布団の中で本を読み耽ることにします。

●2004年11月18日(木)雨

朝から宅急便で起こされ、原稿が届く。
電話も鳴って、ファックスのゲラもどんどん届く。
雑誌は、今日あたりがみんな入校の時期なのだな。
寝ていられない感じなので、サクッと起きる。
次々校正し、ゲラをもどし、スイセイときしめんを食べる。
出掛けるまで少し時間があったので、布団にもぐって読書。
今日は、夕方からボロットさんのライブに出掛けます。
川原さんと青キミも一緒。
すごく楽しみだ。
ボロットさんは、素晴らしかった。
ボロットさんの歌声を目をつぶって聞いていると、頭がゆらゆらしてくる。
ランディさんもおっしゃっていたが、体のあちこちに共鳴してジーン、ミーンとなった。
川原さんは、お腹にじっと手を当てて聞いていたら、「お腹の中が、熱くなってびっくりした」と言っていた。
1年ぶりに聞いたが、私はちょっと忘れていたな。
声を聞いたら、すぐにパーッと思い出した。
頭がというより、体が思い出した。
ボロットさんの歌声は、アルタイの野生そのもので、目をつぶっていると、行ったこともない場所なのに、見えてくるのだ。
鳥の声や、風の音、精霊のうごめきが聞こえてくる。
彼の佇まい、顔も姿も相変わらずかっこよくて、ドキドキした。
川原さんもとても好きになったみたいで、目に星ができていた。
「ボロットさんて、そばにいたらジーンときちゃうよね」私。
「うん、ずっとそばに居てほしい感じ。結婚したい!」川原。
青キミは、あんまり感情を出さない人だけど、とても良かったらしいことが、伝わってきました。
というわけで、終わってからスイセイの待つ「晩酌や」へ3人で寄ったのが運のツキ。
ボロットさんの話はひとことも話せずに、スイセイのパワーに巻き込まれていく3人であった。
前にも日記に書いたが、青キミ(青木美詠子)の『冷えとり毎日』(メディアファクトリー刊)は、とてもいい本だと思う。
毎日は平凡だけど、積み重ねでしか出てこない強さやすごさ、平凡な中のユーモラスというのが、あの本の後ろに流れている。
ご本人は、いつ会っても本の通りの格好をしていて、ごまかしがない。
こういうことは当たり前かもしれないが、うわべだけの本作り(本屋さんで立ち読みするだけで分かる)をしている世界も、れっきとしてあるからな。
あれは、本当に温かい本だと思います。
これからの季節にぴったりだし、私もまた読んでみようと思う。

●2004年11月17日(水)快晴

12時から打ち合わせ。
みどりちゃんと新居さんなので、姉妹に会うみたいな、ちょっとワクワク。
1時間ほどで終わって、図書館に行ったり、買い物に出たりする。
昨日とは打って変わって、外向きな気分なのだ。
本屋にも久々に1時間くらいいた。最近の新刊をチェックしたりして。
ツタヤでビデオまで借りてきた。「リリー・シュ・シュのすべて」だ。
買い物は、土屋商店にかつおぶし、昆布、にぼしを買いに行ったのだが、アゴを発見したので、即買った。
海苔も、炙って食べる「生のり」と書いてあるのを買ってみた。
帰って来る時、ポプラの枝を大きく切り落としていた。
もう冬の支度だ。
夜ごはんは、糸蒟蒻と舞茸の炒り煮、鮪の中落ち、アオリイカの刺し身、牡蠣の酒炒り、ゆでブロッコリー、里芋の味噌汁、玄米。
海苔を炙って、青じそも添え、手巻にしてお刺し身を食べた。
やっぱり、海苔がおいしい!。
子供の頃に食べた味を思い出す。
「味噌汁が、すごいうまい」と、スイセイが2度ばかり唸っていた。
アゴだしというのをスイセイは知らなかったから、やっぱり本当においしいのだ。
すごいなー、アゴは、昆布も入れてないのに。
袋には、「だしの王様、アゴ」と書いてある。
原稿も書き上げ、今お送りしたところ。
早めに風呂に入って、今夜は「リリー・シュ・シュのすべて」を見る予定。

●2004年11月16日(火)快晴

やっぱり晴れはいい。
布団を干し、洗濯を2回戦やる。
昨夜は、フランスに行った夢をみた。
自転車の競技が有名な、何とかいう村へ。
山肌とか崖とかが、けっこう生々しい夢だった。
さて、今日もまた原稿書きと校正をやろう。
ずっと机の前に座り、「日々ごはん3」の校正をしていた。
楽しいことなので、何度かお茶をいれながら、飽きずに入り込んでやれる。
夕方、かわしまよう子ちゃんが来て、スイセイと散歩に出掛けた。
今日は、原稿にはまっているので、私はパスする。
だけど、せっかくよう子ちゃんが来てくれたので、お弁当を作ってやろうと思い立ち、きのこ玄米ご飯と、南瓜のポクポク煮を作った。
しかし、校正にはまっていたので、南瓜を焦がしてしまいました。
甘く焦げた匂いがしていたが、すぐには何の匂いか分からなかった。
夜ごはんは、イカのにんにくワタ炒め、小松菜のお浸し、南瓜煮、きのこ玄米ご飯。

●2004年11月15日(月)雨のち晴れ間、寒い

ひさびさに掃除機をかけた。
ずっと天気が悪かったから、埃も目立たなかったし、こもりがちだったので、ほどよく散らかった部屋が調度よかった。
3時頃に晴れ間が出てきたので、窓を大きく開けっぴろげ、隅々まで掃除した。
やっぱり掃除をすると、気分が外向きになる。
郵便局に行って、夜ごはんの買い物もすます。
それにしても、いつからこんなに寒くなったのだろう。
秋だとばかり思っていたが、もう冬なのだな。
もしかして、今日からか?。
夜ごはんは、カレーライスとコールスロー。
昨夜から、「日々ごはん3」の校正を始めた。

●2004年11月14日(日)曇り、寒い

どんよりと薄暗く、寒い。
こんな日は、冬ごもりだ。
いつまで寝ていてもいいし、本を読んでも、原稿書きをやってもよし。
豚肉と豆腐があるので、買い物にも行かなくていい。
まる子とサザエさんだけは、欠かかさずに見た。
夜ごはんは、冷や奴、豚肉と白菜の炒め物(焼き肉味)、わかめと青菜のわさび醤油、けんちん汁(大根、油揚げ、豆腐、しいたけ、ねぎ)、玄米。
これから風呂に入って、ウルルンを見る予定。
寝ながら、何となしに思ったのだが、料理を作る人に向き不向きがあるとしたら、それは、ケチかケチではないかということのような気がする。
ケチな人が作った料理は、おいしそうな気がしない。
ケチでない人というのは、人に対して「ふるまう」とか「あげる」精神が強い。
自分の所には何もなくなっても、つい、人にごはんをふるまってしまう・・・というような。
それは、私のことだが、平野レミさんもそうだ。
つまり、生まれつきそういう精神の人は、料理の仕事をしていてイヤになることがないのだと思う。
そういうのは、看護婦さんとか、保母さんとか、小説家とか、ミュージシャンとか、いろんな分野でも言えるかもしれない。
自分を出し惜しみしない、という仕事だ。

●2004年11月13日(土)曇り

朝起きたら、なつ子がいた。
スイセイが何かの仕事を手伝ってもらうらしく、打ち合わせをしていた。
お昼ごはんに、塩鮭と蕪の葉のスパゲッティー(生クリーム、ディル、パルミジャー)を作り、3人で食べる。
それからも、だらだらと3人でお茶を飲みながらお喋りし、夕方になってなつ子が国立の「日日」に行くと言うので、私たちもついて行った。
「日日」は、すごくおいしかった。
あんまりお酒は飲まずに、腹いっぱい食べ、大満足で帰って来ました。
なつ子とは、動物同士みたいな、家族みたい(娘?妹?)な感じなので、全然気がねがない。
歳はうんと離れているが、何を話してもおもしろく、案外シビアでクールな意見も言い合う対等な人間同士っていう感じ。
それにしても、「日日」ってすごく良心的(値段が)でびっくらした。
あんなにおいしく、ひとつひとつちゃんと作っているのに・・・。
というか、これが正当だ。
真面目な、良い空気が流れている、風通しがいい店だ。
初めて行った時にも、同じことを思った気がするが、4ヶ月経った今も、変わらずに同じ感想を持った。

●2004年11月12日(金)雨のち曇り

泥酔というのはあるが、「泥睡」という言葉を、私は作りたい。
昨日、今日と、本当にそういう眠りなのだ。
眠りの質が濃い。
前に、中身は自分なんだけど、体は別人の女の子・・・という夢をみたことがある。
今回の夢の内容はそこまではいかないけれど、自分が子供の頃の(体も)夢をみていた。
11時に電話で起こされたのだが、すごく深く眠っていたので、海の深い所から、海面までもどっていく海女さんがかける時間くらいのものがあった。
今日もまた、4時くらいまで寝た様な(よく寝たな)感があった。
電話を切ってからも目がくっつきそうで、まだまだ眠れそうだったが、もう起きることにした。
今日は、原稿を書く予定。
「諸国空想料理」の本が、筑摩書房から文庫として再販されることになったのです。
それで、新しいまえがきと、ちょっとまとまったコラムを1本書こうと思う。
天気もしっとり落ち着いているので、原稿書きにはぴったり。
買い物にも出ずに、今日もまた、楽しくひきこもろう。
夜ごはんは、塩鮭、ほろ吹き大根(ゆず味噌)、魚肉ソーセージとほうれん草の炒め物、納豆、ワカメと水菜の味噌汁、玄米。

●2004年11月11日(木)曇り、夜になって雨

(あー、よく眠った。もう夕方か?)と思いながら時計を見ると、まだ10時であった。
起きてもよさげだけど、もっと眠れそうなので、また夢の中へともどっていく。
泥に埋もれていくように、ズブズブと。
どこかの村に行って、山の古いホテルみたいな所に泊まり、いろんなたくさんの人たちとドラマが生まれていく夢だった。
いろんな登場人物で、第一話、第二話、第三話と構成されており、トイレに起きてもまたすぐに眠れ、続きの夢にもどっていった。
3時に起きて、オムレツを食べる。
ゲラのもどしをじっくりとやり、さてと、これから「翼の王国」の原稿を書き始めなければ。
今度はタイに行った時の話なので、当時の写真を集めて、今眺めているところ。
16年くらい前のことだけど、写真の中の匂いが、脳と鼻の間のところまできている感じがする。
この匂いが鼻に降りてきて、実際に嗅げるようになるまで、ぐーっと入り込む。
この作業は、今朝私がやっていた、夢の続きにもどっていくのに似ている。
寝ぼけている時に、体ごとですーっとできることを、起きている頭でやるのだ。
市場の中を歩いている人々の背中の写真を今見ているのだが、もうちょっとで動き出しそう。暑いんだけど、日陰のテントの下は、まあまあ快適だ。
てなわけで、今日は1日原稿書き。
スイセイが用事で出掛けたので、集中できました。
帰りに魚屋さんで、何でも食べたいものを買って来てとお願いしたら、カジキマグロと塩鮭を買ってきてくれた。
夕方なので、100円引きになっている。
夜ごはんは、麻婆白菜、カジキマグロのごま焼き(切り身に塩をふり、片面に白ごまをのせ、片栗粉ちょっとをふっておさえた。片栗粉はノリの役目)、三つ葉と卵の味噌汁、玄米。
カジキマグロは、フライパンにごま油をしいて強火にし、ごまの面の方から焼きつけた。
ひっくり返してフタをし、弱火で蒸し焼きしただけ。
スダチを絞って食べたら、これがすごくおいしかった。



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