2005年2月上

●2005年2月10日(金)曇り、風が強くて寒い

朝から工事のドリル音が響く中、頑張って眠る。
水道も止まっているので起きてもつまらないし、昨日までの疲れをほぐそうと思いながら無理やり眠る。
12時半に起きました。
スイセイのお昼ごはんを作り(昨夜のすき焼きの残りに油揚げを入れ、卵でとじて丼にした)、私は食べずに本のゲラ校正を始める。
ハナレグミをかけながら、ぐっと集中してやる。
今日もまた、(タカシくん、私も頑張るからね!)という気持ちになりながら。
鼻の奥がスースーして、鼻血が出そうなような感じ。
根が詰まっているのだ。
でも気分は爽快。というかハイ。
時々、踊り出したくなるくらいに。
夜ごはんの支度のぎりぎりまでやり、食べてからも続きをやった。
ふー、目が回る。だけど楽しい。
夜ごはんは、塩鮭、塩豚と残り野菜の炒め物(もやし、ニラ、水菜、ピーマン)、ごぼうとれんこんの薄味きんぴら、納豆、新じゃがと青じその味噌汁、玄米。
早めに風呂に入って、『トップランナー』の再放送を見る予定だ。
明日からは、本のための原稿書きに集中する予定でもある。
なんだかハリハリしています。

●2005年2月9日(水)曇り、ほんの少し晴れ間が

11時からNHKテキストの撮影。
天気予報で、今日はとても暖かいと言っていたが、ちっともそんなことはなかった。
2時半には全部終わり、次回の打ち合わせもやってしまう。
ふー、今日の撮影が終わってやっと自由だ。
明日から4日間、本のことをやるぞー。
買い物に行き、今夜はすき焼きにすることに。
新潟のおいしいお麩を使いたかったし、昨夜の『鬼平犯科帳』のせいもある。
そして、このところスイセイは可愛そうなごはんばかりだったので。
具は、焼き豆腐、舞茸、しめじ、椎茸、水菜、白菜、ごぼう、白滝、牛肉だ。
すき焼きにごぼうを入れたら、鉄鍋に反応して黒くなってしまった。
味はぴったりなのに、どうりで皆さんごぼうを入れないわけだ、と納得しました。

●2005年2月8日(火)寒々とした雨

2時から打ち合わせ。
さくっと終わって、明日の撮影の買い物に街へ出る。
雨だからムーバスに乗って行ったのが新鮮だった。
帰りは普通のバスに乗ったんだけど、運転が乱暴で、止まるたんびに体が揺れ戻されるのが気になった。
お金を払う時に、私はなんとなく運転手さんの感じをいつも確かめる。
この運転手は、顔色が暗くて、ものごとを何も見ていないような、上の空みたいなおじさんだった。
それに比べてムーバスのおじさんは、だいたい感じがいい。
のんびりして、運転を楽しんでいる感じがする。
帰ってから、編集さんにいただいたおいしいクリームパンを食べ、夕方の教育テレビのメドレーを見る。
布団を敷いて本を読んでいるうちに、ばたっと本を落とし、そのまま眠りの中へ。
8時まで寝てしまった。
夜ごはんは、きのこ雑炊(水菜入り)、干し大根の漬物(丹治くん作)、大根のしょうゆ漬け(みどりちゃんの伝言レシピの)。
『鬼平犯科帳』がまた始まったので、スイセイはごはんを食べながら夢中だ。
来週は、すき焼きか鴨鍋にしてあげよう。

●2005年2月7日(月)曇り、すごく寒い

朝、起きるのがすごく辛かった。
このところちょと忙しいのが続いているし、昨夜は2時まで本を読んでしまったので。
頑張って風呂に入って眠気を飛ばし、11時から撮影。
ひさびさに「レタスクラブ」の撮影なので、プロセスを撮りながらの13品だ。
キュッと気持ちを固くして集中し、どんどん作った。
ハナレグミをずっとかけながら。
昨夜のトップランナーのタカシ君の言ったことを思い出しながら、(私も頑張って、皆さんの心に届くような、おいしく分かりやすい料理を作るからねっ!)と、心の底でつぶやく。
そして、タカシ君に励まされているような気持ちになって、ぐーっと作る。
そんな感じだった。
カメラマンの木村さんも、スタイリストさんも、ハナレグミのファンらしく、「昨夜の見ましたかー?」なんて言ったり、スタイリストさんは、「家族の風景」をエンドレスでかけていた。
すごいなータカシ君は。いろんなところにたくさんのファンがいるなあ。
4時半には終わったが、ぐっとくたびれました。
くるくると動いたので、目が落ちくぼんでいるような感じ。
もう、若くはない。
ヒラリンは穏やかで、流れるようにずっとついてきてくれた。
良いアシスタントというのは、スッと自分の存在を消すこともできる。
今日のヒラリンは、そういう感じだった。
6時に『おじゃる丸』を見ているうちに、強烈な眠気が。
布団を敷いて寝てしまう。
起きたら9時半でした。
スイセイは、「ごはんは作らんでもええでー」と言いながら布団に入ってきて、隣で寝てしまった。
風呂に入り、11時ごろに撮影の残りの手羽元の甘辛煮をご飯にかけてひとりで食べる。
食べながらテレビを見ていたら、ナーバズにも「ナーバス・ナーバス」というのと、「エキサイティング・ナーバス」という英語があるのを知る。
「エキサイティング・ナーバス」って、すごく分かるなあ。
寝る前に玄米を炊いて、撮影の残りのおかずでお弁当をつめておく。
これは明日食べる予定。

●2005年2月6日(日)晴れ、暖かい

11時から撮影。
今日は、みどりちゃんの本のための撮影で、私が料理を作りながらみどりちゃんに教える、というのをやった。
カメラは倫子ちゃんだ。
倫子ちゃんは初めて家に来た。
なんか倫ちゃんて、カメラを構える時に、やっぱり独特の雰囲気を醸し出している。
それを真っ向から見るのがどういうわけだか恥ずかしく、焦点を合わせないようにして私は見ていた。
倫ちゃんが写している現場にはいたことがあるけれど、私の料理を写してもらったのは今日が初めて。
今はまだうまく言えないが、生まれて初めての感じ。
ドキドキした。
スイセイが、「今日の天気は晴れじゃけど、ガーゼの雲が1枚かぶさったくらいの晴れでの、それは倫ちゃんが連れてきたんじゃの、と思うた」とあとで言っていた。
倫ちゃんの晴れって、絶対的ににラテン系にはならない。
光が生っぽいというか、湯気っぽいというか。
3時半からは、みどりちゃんも残って『天然生活』の打ち合わせ。
それが終わって、赤澤さんと本の打ち合わせ。
全部終わったのは6時でした。
そのまま明日の撮影の仕入に行く。
7時から、タカシ君の『トップランナー』をスイセイとふたりでじっくり見て、私は泣いた。
夜ごはんは、みそラーメン(もやしたっぷり煮卵のっけ)、スーパーのポテトサラダ、同じくスーパーののり巻き(ねぎトロ、納豆)。
明日は大きめの撮影があるので、今夜も早めに風呂に入って、早く寝る予定。

●2005年2月5日(土)快晴、暖かめ

昨夜は、丹治君が10時過ぎに来て、小さく乾杯のはずがどんどん日本酒を飲んでしまった。
けっきょく、3人で刷り上がった『日々ごはん3』を囲み、2時過ぎまでつもる話をし合った。
帰ってからもスイセイと少しだけ盛り上がり、4時に寝た。
なので今日は12時に起きてたっぷり風呂に入り、2時から打ち合わせ。
本の校正も、早くじっくりやりたいのだが、明日もあさっても撮影なので、いろいろ準備があり、落ち着かない気持ち。
夕方、図書館に行って2冊ほど借り、あちこち買い物に行って帰って来ました。
ご飯の支度までの2時間ほど、ストーブをつけて毛布にくるまり、『日々ごはん3』をじっくり読む幸せ。
夜ごはんは、湯豆腐(つみれ、豆腐、しいたけ、小松菜)、寒ブリの刺し身、白いご飯、 レトルトカレー。
すごいメニューだが、最近どうしてもカレーが食べたかったのです。
しかもレトルトの。
そのために白米を炊いたほど。
スイセイは、湯豆腐をとても喜んでいた。

●2005年2月4日(金)快晴、暖かい

朝から、掃除、洗濯を張り切ってやる。
一昨日の夜の楽しかった残がいを、どんどん片づける。
お酒を何度もこぼしたから、床がべたべたしていたのも、ゴシゴシと雑巾がけをした。
タカシ君のセーターの、赤茶色の小さい毛玉が、あちこちに落ちていたのがおかしかった。
ケンイチ君が持ってきた髭つきの鼻眼鏡をかけ、いっぱい踊ったり、ふざけて暴れたりしていたからだな。
今日から仕事モードにならないと間に合わないので、気持ちがはりはりしている。
レシピ書きと試作に、今日も明け暮れる予定。
『日々ごはん3』の見本が刷り上がったので、夜、丹治君が持ってきてくださる。
自分で作った干し大根の漬物も持ってきてくれるそうだ。
夜ごはんは、手羽元と新じゃがのバター蒸し煮、しめじと浅蜊のオイスターソース炒め、セリの味噌汁、玄米。

●2005年2月3日(木)快晴

寝たり、本を読んだり、起きてチキンラーメンを食べ、また寝たりして夕方まで過ごす。
ちょっとだけ二日酔い。
そして、あまりにも楽しいことが終わってしまったので、淋しいような、人恋しいような、ぽつんとした気持ちでもある。
昨夜は楽しすぎた。
夢のようだった。
郁子ちゃんとタカシ君のハーモニーが、あんなに耳元で聞けるなんて。
「さよならカラー」をタカシ君が生で(もちろん)歌い、「なみだとほほえむ」を郁子ちゃんが歌って、皆で合唱した時の喜び。
「あーあああ」の時に皆を見回したら、上を向いて肩を抱き合い、とろとろの顔になっていた。
CDをかけながら、皆で、踊りながら、オザケンを大声で歌いまくったのもすごかった。
家の大テーブルを囲んで、12人もの人々が、食べたり笑ったり歌ったり踊ったり。
酔っぱらって、台所でリーダーと料理を作っていると、皆の楽しそうな声が怒濤のよう聞こえてきたのも、とても幸せだった。
そう。リーダーのアシストは完ぺきだった。
一緒に楽しんでいるので、私のテンションにぴったりくっついてきてくれて、私が跳ねたらリーダーも即座に跳ねるみたいなノリだった。
無言のテレパシー状態でバターが出てきたり、お皿が出てきたりした。
久しぶりにクウクウを思い出しました。
私たちは裏方仲間だから、お客さんが楽しそうにしているのを感じながら働く、ということに無上の幸せを感じるのだ。
料理は出したそばから歓声が上がり、どんどんなくなり、皆すごい勢いで喰ったり飲んだり喋ったりしていた。
家の大テーブルには料理やグラスがぎっしり並んで、その周りに皆がぐるっとくっついて座って、テーブルが発光しているみたいだった。
幸せを生む大テーブルだ。
料理は、浸し大豆、黄身のみそ漬け、みずの生姜じょうゆ、蕪の葉のおひたし、蕪の塩もみ柚子風味、クレソンと貝割れの辛し酢みそサラダ、蕪と長ねぎとごぼうと車麩のグラタン、鷄とごぼうともち米のスープ、にんじんの柚子みそ、煮卵、塩豚焼いただけ(出てきた脂で、ニラ、セリ、ねぎを炒めた)、れんこんとにんにくの芽の混ぜご飯。
それにしても、アリヤマ君が、ギターを駅前の楽器屋さんで買ってやって来たのには笑った。
「タカシ君、ギターを持って来なかったんだって。誰か友だちに借りられるかなあ」と電話したら、「分かりました、なんとかします」という返事だったが、そういうことだったとは。
皆で楽しむためには、惜しみのないアリヤマ君。
皆で、というところがアリヤマ兄貴のポイントだ。
尊敬する。
さて、今夜のごはんは、キャベツサラダ(塩もみしてピエトロの玉ねぎドレッシングをかけただけ。仕事で使って以来、けっこうおいしく利用しています)、塩豚と蕪の葉とクレソンのクリームパスタ(昨夜のグラタンの残りのソースで)。
なんとなしに、年末の楽しい行事が終わって、静かな正月をスイセイと過ごしているみたいな夜だった。
節分なので、「鬼は外、福は内」も小さくやった。
それぞれ豆を年の数だけちゃんと食べたのだが、後でテレビを見ながら、スイセイは残った豆を全部食べていた。

●2005年2月2日(水)快晴

ゆっくり起きて掃除をしたり、今夜の料理の支度をしたりする。
しかし、洗濯物を干していても、掃除機をかけていても、手がワナワナと落ち着かない。
楽しいことが始まる前だから、テンションが上がって、ワクワクが止められない感じ。
武者震いみたいなものだろうか。
あれもやらなきゃ、これもやらなきゃと思いながら、時間はどんどん過ぎていったが、最後の30分は、なかなか時間が経たないような、不思議な時間の過ぎ方だった。
何が楽しみかと言うと、夕方からタカシ君がここに来るです。
ロッキング・オンの「H」で、タカシ君のニューアルバム『帰ってから、歌いたくなってもいいようにと思ったのだ』の発売を記念して、対談をする。
対談も楽しいし、終わってから、アリヤマ君と事務所の女の子たち、郁子ちゃんも駆けつけてくれることになっている。
もしかしたら、ギターとうたごえを皆で楽しめるのかも? と思うと、いてもたってもいられない気持ちだ。

●2005年2月1日(火)快晴

風は冷たいが、よく晴れて気持ちがいい。
朝、水道屋さんが来て1時間ほど工事をした。
お茶を沸かそうとして、あっ、と思ったり、洗濯しようとして、はっと気がついたり。
水がない生活について、しばし思いを馳せた。
朝風呂はどうしても入りたいので、無理やり昨夜のぬるいままのお湯に浸かり、修業のようでもあった。
今日はこれから、『翼の王国』の撮影が始まります。
夕方、りうが来た。
スイセイとりうがなんだかんだ話をしているのを聞きながら、明日のための料理をいろいろ仕込む。
聞こえてくるのは、主に彼氏の話だ。
りうにも大事な人ができたんだなーと、私としては感無量だ。
夜ごはんは、茹でブロッコリー、鰯の刺し身(残りを酢でしめておく〕、豚バラとキャベツと小松菜の味噌炒め、麩とねぎの味噌汁、玄米。
りうに、煮卵と炒め物をタッパーに入れて、彼氏のお土産にする。



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