2005年5月下

●2005年5月31日(火)雨のち晴れ

テレビの収録で、朝9時半に家を出る。
今日のメイクさんは若い男の子だった。
いつも、いろんな違う人にお世話になって、皆それぞれいろんなやり方できれいにやってくださるのだけど、今日の男の子は、顔の触り方がすごくやさしかった。
ていねいだし。
美容院でも思うけど、男の人って手つきがやさしいんだよなあ。
スイセイも、機械や道具を扱う時の手つきがやさしい。
そういうのって、ぐっとくるものだ。
男の子に話がもどるけど、顔も声も可愛く好みだったので、すっかりいい気分になってしまった。
いつもより時間がかかっているので、ディレクターさんが心配して見に来てくださったほど。
アシスタントのヒラリンもしおりちゃんもバッチリで、おかげで収録は無事終わった。
終わってから明日の撮影(本のための)場所の下見に行き、久家さんと軽く打ち合わせをして帰ってきました。
近所の蕎麦屋にスイセイを呼びだし、軽く飲む。
しかし、明日のことを思うとついテンションが上がってしまい、スイセイが頼んだウォッカ並みの焼酎をもらって、意識がトロンとなる。
しかし、ちゃんと10時には帰ってきました。
あー、明日は楽しいだろうなあ。
そういえば、この間てくてく歩いて街に出た時、枇杷の実の青いのがなっていたな。
まだ固く小さいけれど、色づいているのもあった。

●2005年5月30日(月)雨

しっかりした雨が降っている。
今、NHKで昼前に10分だけフランスの番組をやっているのを、先週も私が寝坊を決め込んでいるところにやってきて、スイセイがテレビをつけた。
今日もまた、それを見てから起きることにする。
さて、これから「トネリコ」に作業をしに行ってきます。
ヒラリンとしおりちゃんと明日のテレビの打ち合わせもやるし、いろいろ買い物もしなくっちゃ。
さあ、張り切っていきましょう。
「トネリコ」では、キッシュとガーリックトーストと鮭のマリネのランチを食べ、ビールを1杯だけ飲んで、明るいうちに帰ってきた。
夜ごはんは、牛肉の赤ワイン煮、新じゃがと新にんにくの天火焼き、レタスのサラダ。
ささ、明日は朝早くに出発なので、もう寝ます。



●2005年5月29日(日)快晴 やっと晴れました。
大家さんがホースで盛大に水まきをしているのが、すごく似合う天気。
日曜日だし。
ハルはこそこそと庭の隅に逃げ、舌なめずりなんかしている。
見ないようにしてるんだけど、つい水の方を見てしまう、という感じで。
水がかかるのが怖いのだ。
昨夜は、2時までかかってフランス日記の2日目をやっと書き上げた。
それにしても一昨日くらいから鼻水が出て、ティッシュが手放せないが、もしかして何かの花粉だろうか。
さあ、今日もまた書き始めよう。3日目を。
窓を開けっ放しでパソコンをやっていると、ベランダの真上を鳥が飛んでゆく羽の音が聞こえる。
バサバサバサッと。
鳩かカラスだと思うけど、なかなかいい気分。
そしてチーチーと、可愛らしい鳥の鳴き声もする。
今日は鳥の天国なのだ。
晴れてはいるけれど、しっとりと湿り気もあって、わりと涼しい。
日記はけっこうはかどって、3日目の夕方まで書けた。
『おじゃる丸』を途中から見て泣き、6時から『ちびまる子』が始まるので、今日は終わりにする。
そして、ひさしぶりに買い物に出た。
自転車で、空のきれいな方に向かって走る。そっちにスーパーがあるから。
最近は、7時くらいに日が暮れるのだな。
夜ごはんは、買ってきたコロッケ(千キャベツたっぷり)、たこの刺し身、白滝と牛肉の炒り煮、茹でブロッコリー、冷やしトマト、玄米、油揚げと葱の味噌汁。

●2005年5月28日(土)ぼんやりした晴れ

今日みたいなこういう天気を、晴れと言うのだろうか。
だからと言って、曇りでもないし。
光は弱く、なんとなく景色がしっとりして、湿気を多く含んだ晴れという感じ。
今日もまた、昨日にひき続き試作を1品やる。
そしてフランス日記の続きだ。
どこにも出掛けずにいると、どこかが詰まってしまう感じ。
スイセイにも怒られたし。
ちょっと遊びに行ったりした方がいいのかも。
かと言って、何をして遊ぶんだろう。
私の発散の仕方は、いつも仕事と共にあるからなあ。
夜ごはんは、ハンバーグ(酒、しょうゆ、バターのソース。新じゃが丸ごとソテー添え)、水菜の煮浸し(昨夜の残り)、卵豆腐、冷やしトマト、えのきと葱の味噌汁、玄米。

●2005年5月27日(金)快晴

昨夜はスイセイが4時くらいに帰ってきたので、なんとなくそれまで眠れずにいた。
帰ったら帰ったで、酒くさい息をしてさっさと先に寝てしまい、私はとり残された。
というわけで、起きたら1時半を過ぎていた。あちゃー。
二日酔いもなんのその、とっくに起きていたスイセイ。
洗濯をし、昼ごはん用に試作を1品作る。
スイセイは昨夜、飲み屋で知り合ったお爺さんに、カウンターだけのバーに連れていってもらったそうだ。
男同士で独身気分を味わったらしい。
ゲラの構成をやったり、もう1品試作をしたりしながらも、フランス日記を書き散らかしているが、まだ2日目から先に進まない。
夜ごはんもまた、別の仕事の試作をやる。
春雨のピリ辛炒め、塩鮭、水菜とエノキと油揚げの煮浸し、新じゃがのみそ汁、玄米。
『鶴瓶の家族に乾杯』を見ながら、ひさびさのわが家らしいごはんをおいしく食べる。

●2005年5月26日(木)快晴

最近、布団に入ったとたんにすっと眠れて目覚めもいい。
気候が良いせいもあると思うが、やりたことがあるからだろうな、きっと。
今は、フランス日記をとにかくはまって書いている。
実はまだ2日目が終わらないのだけど、書くことがたくさんあって、なかなか1日が終わらないのだ。
打ち合わせや撮影の合間をみて書いているが、すっかり気分はフランスに行っている。
テレビでヨーロッパの建物のことなどやっていると、吸い寄せられるように見てしまう。
昨夜もバチカンのサン・ペテロ聖堂の番組をやっていたが、とてもおもしろかった。
というか、私はバチカン市国について、何も知らなかった。
若者たちの信仰の無邪気さにも感動したが、自分の無知さにもおどろいた。
だから今朝も、朝ごはんにパニーニなんか焼いてしまった。
昨日紀伊国屋で、ポケット・ブレッドが、レバニーズ・レストランで食べた丸パンと似ていたので買ったのだ。
トム・ド・サボアというチーズも買った。
パンを半分に切って、コンテとベーコン、トム・ド・サボアとベーコンをはさんでチーズ違いの2種にし、グリルパンでチーズが溶けるまで焼いただけ。
レタスをはさんで食べた。
スイセイは、昨夜のチキンの煮込みと炙った丸パン。
夕方、フランス&ベルギー帰りのみどりちゃんから電話があり、ひとしきり話す。
すごく元気そうだった。
これから新しいことが始まろうとしている(次の本のこと)から、私もみどりちゃんも、未知のものに対するドキドキで、何かハリハリしている。
私「やっぱり、(自分の中のやりたいことを)やり尽くすと、また新しく(やりたいことが)湧いて出てくるもんなんだねえ」。
みどり「うんそう思う。出し尽くさないと出てこないんだよねー」。
スイセイが出掛けているので、夜ごはんは試作をして、味見だけして終わりにする。

●2005年5月25日(水)快晴

朝起きてベランダを見ると、すのこの上に雨粒が光っていた。
昨日のうちに、スイセイがニスを塗ったからだ。
天気予報では曇りだったような気がするが、すっきりとこれから晴れそうな予感。
昨夜作ったカレーライスを、お昼にスイセイと食べる。
そして1時から、「ソトコト」の打ち合わせ。
内容についてはまだ書けないが、新しい食材のお題をもらった感じで、わくわくしている。
さっそく試作をいろいろやろうと思い、紀伊国屋へ買い物に行く。
フランスから帰ってからこっち、私は、食材の見方が変わったみたい。
たぶん、それと平行して料理も変わってゆくだろう。
まだまだ知らないことがたくさんあった料理の世界よ、どんどんこっちにやって来い!という気持ちだ。
でも、太らないように気をつけよう。

●2005年5月24日(火)晴れのち雨

晴れ間を狙って、スイセイはベランダのすのこにニスのようなのを塗っている。
私は1時から打ち合わせ。
2時には終わって、キャベツたっぷりのソース焼きそばを食べる。
川原さんから電話があり、今日のエレカシのライブに誘われるが、なんとなしにやることがあるので、お断わりする。
というか、たぶん怖いのかもしれないと思う。
好きになって、はまってしまうのが。
川原さんは今、しっかりとはまっているらしい。
「図書館で大宰とか借りて読んでる」って前に言ってたし。
昨日もライブに行ったのだが、「もう、ものすごく良くってさ。当日券が少しあるみたいだから、誰か誘わないともったいないと思って」というわけだ。
そしてこの間、フランスの写真を見せた日に、畑で掘ってきた小粒の新じゃが(2個しかなかった)をゆで、フランスのバターをつけて1個ずつ食べたのだが、その夜、ものすごくバターが食べたくなってしまったんだそう。
それで眠れなくて、夜中の4時ぐらいにトーストを焼いてバターをたっぷり塗って食べたらしい。
「高山さんたちがフランスに行ったことに、すごく影響されたんだと思う。っていうか、嫉妬したんだと思う。羨ましくってたまんなかったもの」。
川原さんは、子供の頃からすごくバターが好きで、よく固まりで食べていた。
それがみつかってお母さんに叱られてからは、トイレに持っていってこっそり食べるようになった。
もうひとつ大好きだったのは、生の餃子の皮。
これもポケットに入れて、トイレでこっそり食べていたんだって。
さて、天気が良いうちに、てくてく歩いて吉祥寺と西荻へ。
西荻あたりで雨が降り始め、雨足が強くなった。
そして、電車を待っている時、つーっとツバメが急降下するのを見た。
雨の日のツバメって、なんかしっくりくるなあ。
それを駅のホームから見ている自分というのも、また、絵になるような風景だなあ。
吉祥寺でいろいろ買い物をし、眼鏡(老眼鏡)を作ったり、本を注文したりしているうちに、雨は上がっていた。
バスで帰ろうかと思っていたが、気持ちがいいのでてくてく歩く。
雨上がりの夕方というのは、実に清々しい。
夕方というのがポイントだ。
一日の仕事が終わって、家路に急ぐ時。
群れになって歩く大学生たちも、サバサバと風通しがよく、汗臭くない感じ。
夜ごはんは、スイセイがお出掛けなので、新じゃがで試作を2品作った。
水を飲みながら、じゃがいもだけをひたすら食べる。
いちおうカレーも作っておいたが、今夜スイセイは外で食べてくるだろうと思われる。

●2005年5月23日(月)晴れのち曇り、時々雨

最近、天気が安定しない。
ちょっと曇ったかと思ったら、ぽつぽつといつ雨が降り出すか分からない。
だから、ちょくちょく窓の外を見たり、耳を澄ませたりしながら仕事をしている。
次の撮影2本分のメニュー出しや、オフィスまわりの仕事をやる。
昼ごはんをせっかくそうめんにしたのに、なんだか肌寒くもある。
さて、今日もまたフランス(日記)に行ってこよう。
夜ごはんは、鰤の塩焼き(辛み大根おろし添え)、たたき新ごぼう、エシャロット(千葉の畑の)の塩漬け、ほうれん草と小松菜のおひたし、ワカメとみょうがのおすまし、玄米。

●2005年5月22日(日)曇りのち雨

完全に晴れというわけではなく、少し肌寒い。
昨夜は「トネリコ」から早めに帰ってきたので、二日酔いではないけれど、12時までだらだらと寝ていた。
なんとなく、いろんな仕事がひと段落したので。
でも、まだまだ私には大きな仕事が残っている。
それはフランス日記だ。
夕方、フランス2日目の思い出にぐっと入り込んで書いていたら、川原さんが図書館の帰りに寄ってくれた。
スイセイの写真を見せ、フランスの話をいろいろする。
川原さんは、すごく興味を持って見てくれた。
1枚1枚見ながら、写真の中の奥行きをいろいろ想像している様子。
私は実際に行っていたから、気温だとか、音だとか、空気感みたいなものを写真の中から読み取れるけれど、川原さんもそういうのを感じようとしているみたいだった。
想像力がたくましい人だ。
やっぱり、川原さんておもしろいなあ。
夜ごはんは、ゴーヤ、もやし、豆みょう、クレソン、塩豚のおかか炒め、ラーメン。
今夜は早く風呂に入って、『ウルルン』を見てからまた続きを書く予定。

●2005年5月21日(土)快晴

早起きしてお弁当をこしらえ、千葉のじゃがいも畑に行った。
半分は仕事だけど、天気もよく、遠足のようであった。
久家さんの、あの素晴らしい四角いカメラが、農園の草むらの中に立っている様子が、なんだかとても綺麗だったなあ。
緑だらけの中で、風に吹かれながらスックと立っていて。
掘りたてのじゃがいもとエシャロット(掘らせてくれた)をたくさんいただいたので、「トネリコ」に持って行った。
洗面所で手と顔を洗い、風の通るカウンターで冷えた生ビールを飲むしあわせ。
「トネリコ」の生ビールは、泡がきめ細かくて、本当にうまい。
来ているお客さんたちにもエシャロットが出され、掘りたての甘さに皆で感嘆する。
サンは、ひと口かじったとたん、「ビール飲みてえ!」になってしまい、我慢できなくてちびビールを飲んでいた。
店っていいなあ、おいしいものをこうして皆で分け合える。



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