●2005年9月10日(土)晴れ、残暑
ずっと気になっていた窓拭きをやる。
首筋に汗の玉が吹きだし、鳩尾の方まで汗びっしょりになった。
そしてシャワーを浴びる。
今年はクーラーをあまりつけずに済んだなあ。
というより、私がクーラー嫌いになったのかもしれない。
体が冷え性の方に傾いてきたみたいだし。
さて、あさってが本の撮影の最終日なので、いろいろ準備をする。
牧野さんもいらっしゃるので、何を作ってご馳走しようか…などと考える。
今からとても楽しみだ。
4時くらいに紀伊国屋へ仕入れに行く。
近所のスーパーにも行く。
北海道フェアというのをやっていて、長ねぎの細目のが気になった。
試食のぬた(すり胡麻入り)のようなのを食べたら、とってもおいしい。
酢味噌の加減がちょうど良くて。
こういうのって、試食のおばさんが作るんだろうか。
お袋の味ですごく上手だった。
なので1束買う。
富良野の軟白長ねぎと書いてある。
ぬたを作る時、おばさんと切り方を同じにした。
15cmくらいの長いまま茹でて、1cmの斜め切りだ。
夜ごはんは、茹でとうもろこし(紀伊国屋でおいしそうなのがあったので1本だけ買った。今年最後のとうもろこしになるだろう)、鶏の空揚げ(スーパーの)、ねぎのぬた、石がれいの刺し身、レタスサラダ、春雨炒めと炒り豆腐(昨夜の残り)。
スイセイがぬたをとても気に入っていた。
そういえば、『しずかに流れるみどりの川』を読み終えた。
気が向いた時に少しずつ読んでいたのだが、昨夜、もういちど始めから読み直した。
やっぱり、とても良かった。
ユベール・マンガレリはロレーヌ地方出身の人だから、ドイツに近い方だ。
そしてこれは、マンガレリの少年時代がモデルになっていると私は勝手に思う。
『おわりの雪』もそう思ったが、この2冊が同じ少年、同じ父親ではないにしても、きっと彼の中の永遠の父と子だ。
たくさんのことを望まない、最小限の幸福が、やっぱりここでもロウソクの炎みたいにまたたいていた。
レストランで、仔羊の骨つき肉じゃがいも添えと、ラビオリのトマトソースをふたりがそれぞれ食べる時ドキドキし、夢のような幸せを私も味わった。
教会の場面では、オーヴェルニュー地方で偶然入った、小さな街の教会の中のことを思い出していた。
旅行に行くって、こういうことなんだな。
空想が限定されるっていうかなんていうか。
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