2005年10月中

●2005年10月20日(木)秋晴れ

すごく晴れている。
こうやってパソコンを打っていても、背中がポカポカ暑いほど。
下の公園で遊んでいる子供たちの声がする。
昨夜、遅まきながら『小学生日記』を読んだ。
とても好きな本だった。
その余韻がずっとまだ残っていて、朝風呂の中でも、お昼を食べながらも、いろいろ考えてしまうが、言葉にならない。
hanaeちゃんて、とてもいい子だ。
hanaeちゃんの周りにいる人たち、お母さん、お兄ちゃん、友だちも、皆、いい。
いことばっかりではないけれど、hanaeちゃんの視線は、ひねくれてない。
世界を悪い方には向かわせない。
悪い方にひきずり込むのって、もしかしたらただの我が儘ではないかの?。
自分(闇)のことは、自分でやらないと。
原稿のオーケーが出たので、今日はのんびり休日にしようと思う。
天気もいいし。
畳の部屋で電気ストーブをつけ、夕方まで読書。
おもしろそうな本を送っていただいたので。
『僕の見た「大日本帝国』西牟田靖。
最近、なんとなしに私は、満州ってどこなんだろう? と思っていたので、ちょうど良かった。
日が暮れると急に寒くなってきた。
スイセイは、今日もまたどこかに買い物。
新作の発明品に必要なものがあるらしい。
夜ごはんは、大根と手羽先の煮物、タコ刺し、買ってきたコロッケ、たくわん、玄米。

●2005年10月19日(水)曇りがちの晴れ

やっぱり。
天気予報では雨マークだったが、時々晴れ間も広がるくらいの曇りだ。
薄紫のシジミ蝶や、黄色い蝶々がフラフラとどんぐりの木の周りを飛んでいる。
布団を干し、ひさびさに洗濯もたっぷりやる。
扇風機も掃除してしまった。
昨夜お送りした原稿は、ほとんどoKが出た。
なので、遠くから眺めるようなつもりでもういちど全体を眺め、今日は調整をしよう。
小説家の人は、こんなものではないだろうな。
頭から血が出るようなことを、毎日毎日やっているのだ。
本当にたいへんなことをやっているなあ。
私は今、脳みそが心地いい風に吹かれている感じです。
スイセイが、どこか遠くに工具だか材料だかを買いに行っているので、帰ってくるのに合わせてごはんにする。
9時過ぎに帰ってきた。
ニュースをつけて知ったのだが、地震があったらしい。
寝室の蛍光灯がまだ揺れているけど、私はぜんぜん気がつかなかった。
たぶんその時、私はチーズをおろしていた。
指を切らないように、しかも小さい容れ物の上でおろしていたので、こぼざないようにと注意しながら。
ニュースでは「火をとめてください」とか、「アイロンを使っている方はコンセントを抜いてください」とか言っている。
今、またこれから地震がくるのだろうか。
でも、料理の最中だったから、オーブンもガス台の火もつけていた。
スイセイがお腹を空かして帰ってくるから。
夜ごはんは、たらとじゃがいものグラタン、レタスのサラダ、胡瓜の塩もみ、茄子とピーマンのトマトソース炒め(バジルペーストも少々)、赤米入り玄米。

●2005年10月18日(火)雨

よく降るなあ雨。
秋って、こんなに雨が多かったのだな。
秋と言うと、天高くとか秋晴れとかすぐに思うが、こういう雨の続く日々って、けっこう毎年多かったような気がする。
そしてこういうことを、毎年思っていたような気がする。
2時からはインタビュー。
テーマがおもしろかったし、けっこうつっこんできてくださったので、気がついたらたっぷり2時間くらいやっていた。
後で聞いたら、皆さんほとんど私と同世代の方々だった。
雨が止んでいたので、買い物に行く。
ハルがちょうど散歩から帰ってきたところだった。
最近元気がなさそうだったことを大家さんに聞いてみると、毛の抜ける時期だったから痩せたように見えたとのこと。
でももう5歳、人間で言うと35歳くらいだから、前よりは体力がなくなって、元気がなくなってきてるそうだ。
そうかー。
犬は、人間よりぜんぜん早いスピードで大人になっていくんだものな。
あと5年したら70歳か。
うら淋しい気持ちが胸をよぎる。
そうかー。
夕方、ほんの一瞬だけ空が茜色(赤紫がかっていた)に染まっていた。
窓を開けると確かに雲はいっぱいだけど、その向こうで陽が沈もうとしているのが透けて見えるような。
もしかして、明日は天気が回復するのか?。
夜ごはんは、秋刀魚のフライパン焼き、大根おろし、根三つ葉の煮浸し、ポテトサラダ、わかめの味噌汁、玄米。
早めに風呂に入り、原稿の続きをやる。
どうにか形になり、伊澤さんにお送りしました。
今、まだ2時半なんだけど、鼻血が出そうなのでもう寝ます。

●2005年10月17日(月)ずっと雨

朝、早起きして(なんだか寝ていられなかったのだ)コーヒーを淹れ、昨夜の続きの原稿書きを夢中でやる。
しかし、その集中は昼までもたなかった。
目は痛いし、このところ頭使いすぎって感じ。
夕方まで泥のように眠る。
体中も、脳の中まで火照っているような感じのまま、ボワーンと眠る。
生理だし。
夕方、スイセイに原稿を見てもらった。
案の定、ダメだしが出た。
ふー。
締め切りまでまだ何日かあるから、ちょっと寝かしてまた明日から頑張って書こう。
というわけで、今夜は出前のお寿司をとった。
干し椎茸ととろろ昆布のお汁だけ作り、スイセイとおいしく食べる。
明日はインタビューだから、今夜はだらだらして過ごそう。

●2005年10月16日(日)雨のち曇り

12時に起きる。
あー、よく寝た。
眠くて眠くて、時差ボケみたいだった。
2日分も寝てしまいました。
さて、今日は「翼の王国」の原稿を仕上げてお送りしなくては。
そして、じゃがいも本の原稿も書こう。
その前に、一昨日のアリヤマ君のパーティーのこと。
料理は、ともすけがおいしいのをいろいろ作ってくれた。
白州の塩ゆで落花生、れんこんのマリネみたいなの(ヒカヒカと乾いた感じでおいしい。オーブンで焼いたのだろうか?)と、大きくちぎったキャベツのマリネ(マッシュルームと生姜が入っていた)、じゃがいもと牛肉の洋風炒め煮みたいなの、焼き南瓜、そしていろんなきのこやズッキーニが入ったカレー。天板いっぱいに焼いたフォッカチャは、フカフカしてほんのり酒まんじゅうの味がした。柿のマリネもあった。
ともすけの料理って、ハーブとかバルサミコ酢とか使ってイタリアンなんだけど、すごくやさしい味。
私はキャベツとじゃがいもがとくにおいしくて、何杯もおかわりした。
アリヤマ君に宛てたビデオレターは、60人分くらいのメッセージを、長野君たちが編集したそうで、すごくおもしろいことになっていた。
それぞれ工夫してあったり、心から言いたいことをちゃんと順序立てて喋っているおじさんとか、照れちゃうから挨拶っぽいけど、何かが伝わってくるのとか、皆その人らしい感じに出来ていて、そのいろいろがおもしろかった。
「FOIL」の竹井さんが、「女は30から、男は40からと言いますが。歳とるとな、めー悪うなるし、疲れるし、チンポも立たんようになってくるしな、ええことないで」というようなことを、派手なシャツ着てヤンキーみたいに言っていて、それがすごく素敵だった。
私ももうすっかりおばさん年代だが、現役で今まさに活躍しているおじさん(私よりひとつ年下)の竹井さんにそういうことを言われると、(歳とるのは)まあしゃあないよねと、逆に励まされているような気になる。
そしてあの猫村necoさんが(マンガの)、「アリヤマさんお誕生日おめでとうございます」と、エプロンで手を拭きながら(確かそうだったと思ったが、ちがうかも)出てきた。
そのマンガを描いたほしゆりこさんも、いい感じのする方だった。
しゃべり方とか、すごくよかった。
ますますファンになってしまっただ。
私のは、自分で見て、顔の皴がくっきりしているのに驚いた。
明るい所で見たら、こんななんだ。
まあいっか。しょうがないものな。
1時間くらいのビデオを、もらった花束を抱えたまま、アリヤマ君はいちばん前の席でずっとにやにや見ていた。
その横向きの姿がかわいかった。
いつもはパーティーのたびに、いちばん仕切っていて、大声で何か指示りしているオレさまなアリヤマ君だ。
本気で人を喜ばせることばっかりやっているアリヤマ君本人が、ずっとおとなしかった。
真っ赤な顔をして、照れくさそうにずっとにやにやしているだけで、最後はやっぱり寝てしまった。
畑さんが来て、ずっと歌ってくれた。
私は後半、畑さんの周りに座って、ずっと歌っていた。
最後、隣に座って、畑さんの声の震えがすぐ耳の傍で聞こえていることに、じーんとなっていた。
楽しくて楽しくて、ずっと聞いていたかった。
スイセイはスイセイで、岡戸さんや岡尾さんや、いろんな女の人たちに囲まれて楽しそうにやっていました。
というわけで、そろそろ仕事を始めよう。
『まる子』が始まるまで、みっちり仕事をする。
「翼の王国」はお送りし、じゃがいもの方も、ずいぶん骨組みができてきた。
夜ごはんは、塩鮭、大根と白菜と干し椎茸(高知の)の薄味煮、ソーセージとピーマン炒め、白いご飯、梅干し。
「銀シャリがすごいきれいじゃのう」と、スイセイは関心しながら食べていた。
『ウルルン』を見終わって、『情熱大陸』が始まるまでの間に、大急ぎで食器を片づけ、白玉だんごを作る。
デザートは、白玉&ゆで小豆&アイスクリーム。

●2005年10月15日(土)晴れのち雨

朝、6時くらいに帰ってきた。
昨夜は楽しかったが、とにかく眠いので、このことは明日書くことにし、ひたすら眠る。
昼間は晴れていたので窓を開けて寝ていたが、どんどん曇ってきた。
いちど起きてサッポロ1番味噌ラーメンを食べ、また布団に入る。
刷り上がった『日々ごはん5』を読んでいるうちに、またぱたりと寝てしまう。
豆腐屋さんのプーが聞こえてくるまで、ずっと寝ていた。
外はもう真っ暗だし、雨も降っている。
風呂に入って、蕎麦をゆでる。
夜ごはんは、南瓜煮(残り物)、温かい蕎麦(小松菜、卵、とろろ昆布入り)。
また布団に入って『日々ごはん5』を読み始めるが、すぐに睡魔がやってくる。
お酒は抜けたけど、なんだかすごくくたびれているみたいなのだ。
そんなには飲んでないのになあ。
ビール1缶と、あとはワインを何杯しか飲んでないよな。
ずっと歌っていたからかなあ。
歳だよな。

●2005年10月14日(金)快晴

ほうら、やっぱり。
天気予報は大外れだ。
やっぱり、自分の勘の方に重点をおいて、天気予報は参考ていどに聞くのがいいのだ。
それとも有山君は強力な天気男なのか?。
今日は有山君の誕生会だから。
昨夜のうちに、「翼の王国」の原稿の下書きもやっておいた。
1時からは打ち合わせ。
それが終わったら、今日もまた「じゃがいも料理」の本の原稿書きに集中しよう。
誕生会は、夜8時から。
ともすけがカレーとホッカチャを作ってくれるそう。
みどりちゃんも、岡どんも来る。
長野君も来るだろうか。
皆にも、またひさびさに会えるだろう。たのしみだ。

●2005年10月13日(木)快晴

秋晴れの日には、やっぱり金木犀の香りが似合う。
ベンチのマットを洗濯し、冬ものと交換した。
座布団カバーも冬用にする。
今日は、久しぶりにあちこちしっかり掃除。
扇風機がまだ出ているのが気になるが、次の晴れた日にやることにし、本の作業に没頭する。
スイセイから中華丼のリクエストがあったので、夕方買い物に行く。
夜ごはんは、中華丼(えび、豚肉、白菜、人参、椎茸、うずらの卵、玄米)、南瓜煮、大根の味噌汁。
そろそろ白菜がおいしくなり始めた。
夜、風呂から上がって空を見る。
月を中心にして鱗雲が周りを囲い、牡丹の花みたいに見える。
月が雌しべだ。
雲の切れ目には青空がのぞいているのに、明日は本当に天気がくずれるのだろうか。

●2005年10月12日(水)快晴

久しぶりの晴れ。
なのは分かっているのだが、頭の中に味噌が詰まっているような(八丁味噌みたいに黒くて固め)、考えがたまりすぎているような感じで、起きれなかった。
起きようと思えば起きられるんだけど、その重い感じの方にもぐって、だらだらと考え事をしながら寝くさってもいいか、などとぼんやり思っていた。
鼻血が出そうな感じもする。
しばらくそうしていたが、思いきって窓際に枕と掛け布団を持っていき、窓を開けた。
布団の中から見る青空。
雲が、少しずつ形を変えながら流れてゆく。
やっぱり起きることにしました。
しかし胸焼けもするし、背中も痛い。
どういうわけなんだろう。
昨夜、寝る前に本のことを考えていたからか?。
ちょっと、うなされるような夢をみたような気がする。
ナーバスになっているのだ。
というか、本を作っている時にそういう精神状態になるのは当たり前のことで、それを私が忘れていただけのこと。
洗濯物をたっぷり干す。
この空の青、しばらく忘れていたなあ。
こんな色だったんだ… と感じ入る。
鳥たちも、チーチー鳴いています。
今日は、牛肉の赤ワイン煮を煮込みながら、パソコン仕事。
夜ごはんは、牛肉と大根の赤ワイン煮、クレソン、面とりした大根、人参のサラダ、ゆで卵、玄米。
ワイン煮、煮込むのに時間をかけたら、すごくおいしくできました。

●2005年10月11日(火)曇り、寒い

今日こそちゃんと起きた。
アリヤマデザインで本の打ち合わせがあるので。
風呂に入り、いつもより念入りに顔をこすって眠気をとばす。
このごろ、洗濯ができなくてつまらないなあ。
カラッと晴れた空にシーツなんか、こう、パーンと干したいものだが。
では、行ってきます。
帰ってきました。
すごくいい打ち合わせだった、と思う。
というか、とても素晴らしいことになっていた。じゃがいも料理本のことです。
まだ詳しくは書けないが、私は、頑張ろう。
とにかく久家さんの写真がすごいんだ。
そして、打ち合わせが終わってから、アリヤマ君にはまだ秘密のビデオ撮影。
14日にアリヤマ君の誕生日会があるので、いろんな人の声を集めて、千草ちゃんと文ちゃん(アリヤマデザインの)がビデオレターを作っている。
私のは千草ちゃんが撮ってくれた。
恥ずかしかったので、すごく緊張した。テレビより緊張した。
でも、千草ちゃんがカメラを構えながら、うんうん、とずっとうなずいていてくれたので、とても心強かった。
私はこういう時、どもりが出てくるから。
千草ちゃんは優しい人だなあ。
電車の行き帰り、今日はウォークマンをひさびさに聞いていた。
例の『りんごの子守唄』だ。
なんか、歌詞の英語が分かるような気がした。
なんでだろう。
意味が知りたいと思って聞いていたからだろうか。
ウォークマンは英語の勉強にいいかも。
まだ歌詞カードがないから(見本版なので)、耳だけで集中するから、なおさら勉強になるのかもしれないなあ。
帰りに「東急のれん街」で豚角煮肉まんを買う。
『きょうの猫村さん』の肉まんが、どうしてもずっと気になっていたので。
マンガのとは形が違う(長方形)けど、2つ買って帰った。
今日、もうひとつ嬉しかったことは、ハルが元気になっていたこと。
最近ハルは痩せて、毛が抜けてつやもなく、しょぼしょぼしていたのだ。
頭を撫でてもいつものように口を舐めてくることもなく、なんか、「ハーッ」という感じで、立ち上がりもしない。
急に歳をとったみたいに見えた。
このところ、スイセイと心配していた。
今日は、ピリッと立ち上がって、ぺろぺろ舐めてきた。
まだちょっと痩せているけれど、毛のつやも戻っていた。
きっと毛の生え変わる時期なのだ。
あー、本当によかった。
実は、今日の出来事の中でこれがいちばん嬉しかった。
夜ごはんは、鰤の照焼き〔焼き葱、焼き椎茸をタレにからめた)、クレソン、小松菜、わかめのおひたし、卵焼き(東急のれん街で買った。あとで気がついたのだが、今日、アリヤマ君の所で「クウネル」のお弁当の本を見ていて、川原さんの挿し絵に感心していた。
川原さんの描いた卵焼きがあまりにおいしそうだったから、きっとインプットされていたのだと思う)、おぼろ豆腐(わさび、塩、直七をしぼる)玄米。
NHKの天気予報のおじさん、今日は声にはりがあった。
「明日は、秋空が広がります。ひさしぶりにほっとした天気になるでしょう。何をやっても気持ちのいい天気になるでしょう」



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