2006年4月中

●2006年4月20日(木)嵐

風が強く、雨が吹きつける。
嵐のよう。
物干しが飛ばないように、お風呂場に入れた。
びっしりと雨粒がついた窓ガラスが美しい。
外は、青っぽいグレーの空気。
こういう日は、「タミゼ」の原稿日和だ。
午後から、だんだん晴れてきた。
晴れながらも雨はたたきつけるが、次第に素晴らしい晴れに。
天気が気になりながら、7時まで原稿書き。
あまり集中できず、ベランダに出たり、感じの出るCDをかけたり、うろうろしながらやる。
夜ごはんは、塩鯖、牛蒡とさつま揚げの煮物、油菜と塩豚炒め、わかめの味噌汁、玄米。
風呂から上がって机に向かうが、どうも入り込めない感じ。
のどがいがらっぽいので、うがいをしてから寝る。

●2006年4月19日(水)曇り

それにしてもよく眠れる。
昨夜は、『フランス日記』のあとがきを仕上げ、バタンと寝てしまった。
今日は午後からアノニマ・スタジオへ作業に行ってきます。
スイセイも写真のことをやるので、一緒に出掛ける。
作業は順調に終わり、表紙もますます楽しみなことになってきた。
吉祥寺で買い物をし、9時に帰ってきました。
夜ごはんは、塩豚のソテー(バルサミコ酢のソース)、レタスとルッコラのサラダ、新じゃがのクリーム焼き、春巻き、玄米。
『フランス日記』の作業をしていたから、洋風の献立になったのだが、どういうわけかお総菜の春巻きが。
「丹治君の筆箱、揚げ春巻きに似とるね」なんて、帰りがけにスイセイが言ったので、お総菜コーナーでついミニ春巻きを買ってしまったのです。
これで、いちおう『フランス日記』の手が離れた。
明日からまた原稿書きに突入だ。
食料もたくさん買ってきたから、しばらくはひきこもろう。

●2006年4月18日(火)晴れ

ダメダメな1日だった。
二日酔いで、ずっと寝たり起きたり。
原稿を少しでも書こうと思うのだが、頭の芯がしっかりしない。
お昼におにぎりを作っただけで、夜ごはんも作らない。
スイセイは、自分でラーメンを作っていた。
でも、こういう日がきっと欲しかったのだ。
このところ詰め込みすぎていたからな。
物理的にでろでろになって、収拾がつかなくなるくらいのことにならないと、私の頭の緊張は、限界なのだ。
とひかく、ひたすら夢をみて、何度も何度も目が覚めては、毛布の中にもぐるくらいの簡単さで、また夢の中にもぐっていった。

●2006年4月17日(月)晴れ

ポカポカと暖かい、散歩日和です。
2時から、渡さんの一周忌に行く。
「クウクウ」の皆が、子供たちを連れてきていた。
終わってから、そのまま「いせや」の2階で飲み始める。
窓からは、見慣れた吉祥寺の景色が見えて、ぜんぜん日が落ちない。
子供らは、どんどん大きくなっている。
「クウクウ」のマスターも、孫と遊んでいるみたいにご機嫌。
その様子を観察しているだけで、ただただ楽しかった。
何度も何度も、渡さんに献杯しながら、ちびちびとビールを飲んだ。
日が暮れて、皆ちりぢりになり、残ったメンバーで「のろ」に行った。
早めに帰るつもりだったのに、ついついスイセイといい気分に。
30年来の懐かしい人たちと、たいした話をするわけでなく、またビールをちびちび飲んだ。
途中からちよじも来て、皆で蕎麦屋に行き、ナツコも呼んで、おいしいお蕎麦と日本酒をちょっとだけ飲む。

●2006年4月16日(日)曇りのち晴れ

昨夜も、寝る前に昌太郎君のボイスレコーダーを聞いた。
朝起きてすぐにカーテンを開け、続きを聞いていたのだが、今日もまた「タミゼ」の匂いがした。
私の頭が「タミゼ」に完全に行っている時、匂いまで感じるのだ。
意識がこっちにふっと戻った時、匂いがしなかったもの。
その最中に私の脳波を調べたら、実際に匂っているのと同じ状態かもしれないなあ。
さて、これで昌太郎君の注入は完了した。
曇り空がだんだん明るくなって、天気雨が降りそそいでいる。
空気中に、きれいな水が染みこんでゆく。
窓を開けて、あちこち掃除機をかける。
気がついたら1週間ぶりの掃除でした。
どうりで埃がたまって、顔がかゆいと思った。
ところで、きび砂糖ってカラメルみたいな匂いがするのだな。
今日は、いろんな匂いを強く感じる日なのだろうか。
これから、『フランス日記』のあとがきを書こう。
マッキーからのファックスで知ったが、今日は渡さんの命日だそう。
うちにある位牌(渡さんのCD)を、しばしみつめる。
夜ごはんは、ビビンバ丼(人参、もやし、ほうれん草と油菜、肉そぼろ、キムチ、温泉卵、玄米)、わかめと椎茸のスープ。

●2006年4月15日(土)晴れ

昨夜は寝る前に、3時ぐらいまで昌太郎君のボイスレコーダーを聞き込んだ。
聞き始めたとたんに、「タミゼ」のあの独特の匂いがすぐにしてきた。
そんな気がするとかじゃなく、本当に匂っていた。
いったいどういうことなんだろう。脳みその不思議だ。
今日は、思う存分に寝て、コンセントを抜くことにした。
寝ながら、体の中に絡まった糸をほどいていく。
どんどんほどいて、体から出す。
このところ、いしいさん、スイセイと続けて書いて、私の体の中はもういっぱいいっぱいになった。
何もなくならないと次の文が書けないのだと、夢の中で気づいたみたい。
体の中を空っぽにして、こんどは昌太郎君の音楽を、ボイスレコーダーから注入するような、そんな感じ。
女子中学生が、腰から音楽を充電したかと思ったら、めちゃくちゃにエレキギターを弾き始めるソニーのコマーシャルがある。
壁を伝って天井を歩き、窓から出て、建物の外壁を歩きながらギターを弾きまくる。
そんな感じ。
けっきょく、3時まで寝てしまった。
起きてみたら、とってもいい天気で驚きました。
外に出ないともったいないので、買い物に行く。
農家で、人参、油菜、ほうれん草、ルッコラを買い、スーパーにも行った。
今日は、何も書かないつもり。
夜ごはんは、鮪の刺し身、蕪の塩もみ(梅酢かけ)、ほうれん草と蕪の葉と小松菜のおひたし、鶏レバーの醤油煮、浅蜊の潮汁、玄米。

●2006年4月14日(金)晴れのち曇り

昨夜は、ばななさんの『イルカ』を寝る前に読み始めたら、止められなくなった。
一気に読んでしまった。
体に、ドーンとくる話でした。
朝起きてからも、ズーンと腹の奥の方に、何かがたまっていた。
動物というか、獣というか、女というか。
そういうものの強さみたいなもの。
今日もまた、原稿書きと、『フランス日記』の作業で明け暮れる。
ああ、人が作ってくれたおいしいものを食べたい。
ちょっと、日本酒なんかも飲みたい。
温泉にも浸かりたい。
夜ごはんは、海老と舞茸と小松菜のスパゲティ、大根のサラダ、トマト。

●2006年4月13日(木)曇り

雨が今にも降りそうなんだけど、降らない。
涙をいっぱいためている人が、どうにかこうにか頑張って、人前では泣かないようにしているみたいな、そんな天気。
洗濯もしたけれど、すごい湿気を感じます。
夕方、窓を空けると、公園の白い花も、黄色いタンポポも、紫の菜の花みたいな花も、ピンクの花も、盛んに咲いている。
大家さんのどんぐりの木は、渋い若草色の若葉が、どんどん増えている。
こういう湿った空気の中で見る黄緑って、なんとも言えずにきれいだな。
水の中に浮かんでいる草みたいな緑色。
緑でも、いろんなグラデーションがある。
スイセイの原稿が、どうにか形が見えてきて、お送りする。
ああ、ビールでも飲みたい気分。
でも、今のうちに、『フランス日記』の見直しをやろう。
夜ごはんは、さつま揚げの煮物、鯵の開き、トマト、小松菜の塩おひたし、生ハムのわさび醤油、油揚げと葱の味噌汁、玄米。

●2006年4月12日(水)曇り

昨夜は、3時まで原稿の見直しをやっていた。
けっこうのめりこんでやったので、また調子が出てきたみたい。
今日は、スイセイの原稿を書き始めた。
暗くなる前に、街へ買い物に出る。
いつの間にやら景色はずいぶん変わって、春というよりは、もう初夏の匂いもした。
欅並木は、そよそよした若葉が伸び初めていたし、こんなに曇っているのに、むーんと蒸し暑い感じもある。
近所のしだれ桜が半分散っていて気がついたのだが、去年のちょうど今ごろは、フランスに行っていたのだなあ。
このところ足りなかった物を、すっかり買って帰ってきた。
かつおぶしとか、ごま油とか、日本酒とか、ほうじ茶とか。
あとは、薄口醤油を買えばいいぐらい。
大家さんの奥さんが、ハルの散歩から帰ってきたところに会った。
「見たわよ〜、テレビ」とかって言われて、なんだか私は嬉しかった。
普段のままの自分で出ていたから、見てくれている方も、そのまま受け止めてくれる。
気楽でいいなーと思う。
さて、今夜はすき焼きだ。
夜ごはんは、すき焼き〔牛肉、白滝、舞茸、水菜、焼き豆腐)、白いご飯。

●2006年4月11日(火)雨

天気が悪いと、どうも調子が出ない。
でも腰にホカロンを貼り、原稿の見直しを、気合いを入れてやった。
今日の楽しみは、自分が写っている『きょうの料理』を見ること。
遅めの昼ごはんに、新じゃがのオムレツを食べたので、夜はあまり食欲なし。
すき焼きとか、焼き肉とか、ガツンと食べたい気もするが、食欲の方も、なんか冴えない今日このごろだ。
こういう時は、外に出て体を動かした方がいいかもしれないな。
夜ごはんは、白滝の炒り煮、焼きさつま揚げ、油揚げとにらの塩炒め、大根と青じその味噌汁、梅干し、もちきび入りご飯。
夜、自分が写っているテレビを見て、なんだか励まされました。
風呂から上がって、もうひと頑張り原稿をやる。



日々ごはんへ めにうへ