2006年4月下

●2006年4月30日(日)快晴

ゴールデンウィークらしい晴れ渡った空。
スイセイは、市役所のフリーマーケットみたいなのに、朝から行ったそうだ。
お昼に、『のど自慢』を見ながらお弁当を食べる。
出演者が行進してくるところで、すでに反射的に涙が出る。
今日は、のんびり原稿書き。
昨夜は、次の本の原稿を書き始めている夢をみた。
どんな感じに書こうかと、夢の中でまさぐっていた。
もう、私の中では次のことが始まっているのを知る。
桃ちゃんから、昨日締め切りの電話をいただいたからだろうな。
部屋にいても爽やかな風が入ってくるけれど、外に出ないともったいないような天気。
夕方、図書館に行ってきた。
絵本と、子供の本ばかり借りる。
大家さんの杏の木は、いつのまにやら実ができていた。
すでに梅の実ほどに大きくなっていて、目を疑った。
いったい私は、このところ何をしていたのだろう… という気持ち。
申し訳ないような気持ち。
さて、今夜は、『ウルルン』も見逃せない。
カバちゃんが、タイの捨て犬たちに会いに行くのだ。
夜ごはんは、ミートソースのスパゲティ、きのこのアンチョビ炒め(しめじ、エリンギ)、蕪と大根のサラダ。

●2006年4月29日(土)曇り

雨が降りそうで降らない、まったりとした空気です。
ゲラの直しを、もう一度見直す。
高知の日曜市で買ってきた芋がらの干したのをもどして、油揚げと煮たり、南瓜を煮たりしながら。
スイセイは、今日もまた「ルウム」へ。
「ルウム」というのは、工房の名前です。
「ルーム」ではないんだそう。
このところ毎日のように出掛け、夜ごはんの時間ぎりぎりに帰ってくる。
はなればなれの時間が多いんだけど、絆が深まっている感じがする。
お互いに、やりたいことを真面目に頑張っている仲間同志っていう感じ。
夜ごはんは、空豆の塩ゆで、塩鮭、芋がらと油揚げの炒り煮、南瓜のポクポク煮、ほうれん草とショルダーベーコンの炒め物、油揚げと葱の味噌汁、雑穀入り玄米。

●2006年4月28日(金)晴れ

1日中、あんなに気持ち良く晴れていたというのに、洗濯物を干すのを忘れてしまった。
本のゲラを、読み込みながら直していたので。
すっかり夢中になっていた。
6時半ごろ、スイセイが工房から帰ってきて、はっと気がついた。
仕様がないので、部屋の中にシーツやら枕カバーやらトイレマットやらいろいろ干す。
また今日は、張り切って、たくさん洗濯したのだ。
明日は雨みたいだし。
でも、本の原稿は、かなりいいところまで来ている。
写真も。
長野君の写真のことを思い出すと、胸がワクワクしてくる。
昨日、長野君が来て、写真を大テーブルに並べて見せてくれている間、どうやら私はポーッとしていたみたい。
人前だから、ドキドキして、集中して見れなかった。
あとから、布団に入ってからも、目の中にある残像をずっと反芻していた。
前に、『高山なおみの料理』のデザインが上がってきた時にもそうなった。
見せられた瞬間、その場でポーッとして、感想なんてほとんど何も言えないのだ。
言葉がなくなるというか、フワフワしてしまい、心ここにあらずになる。
早くひとりになって、じっくり見たり読んだりしたい。
そういう感じになる。
夜ごはんは、カレーライス(昨日のお昼に、塩豚と新じゃが、人参、春キャベツでスープにしたものの残りにルウを入れた)、大根と水菜のサラダ、ゆで卵、トマト、雑穀玄米ご飯(小豆、もちきび、うるちきび、そば米、黒米入り)。

●2006年4月27日(木)曇りのち雨、肌寒い

昨夜は、打ち合わせの後、3人で近所の蕎麦屋へ行った。
お蕎麦、おいしかったなあ。
ビールと日本酒もけっこう飲んだ。
原稿が一段落したから、なおのことおいしく、幸せだった。
田中君の仕事は、まだまだこれからがたいへんだけど、どうか踏ん張って頑張っていただきたい。
息子くらいに若い編集さんだけど、田中君って、私の文章について、ものすごく読み込んでいてくださる。
そして、いいところをつっこんでくる。
どこがどうって指摘するのではなく、すごく遠回しに。
その言い方が絶妙なので、悪いところを私が自分で気づくことに自然となる。
それは、田中君がよほど深読みをして、よほどいろんなアイデアのパターンを考え尽くしているからだろうと感じる。
ものごとを深く考えたり感じたりする人だというところで、私はとても信頼しています。
一緒に仕事をする仲間として、これ以上に望むものは何もないなと思う。
ところで、水曜日の夜12時からやっている、NHKの「世界ふれあい街歩き」という番組を昨夜も見た。
あまり広いエリアではなく、散歩のスピードで街を歩く。
先週はポルトガルで、本の修理屋さんとか、市電とか、ベンチに腰掛けている暇そうなおじいちゃん4人組とか、洗濯物を干している横丁とか、とても良かった。
古い建物も、街も、きれいすぎない雑多な感じがいい。
昨夜は、スペインのバルセロナ。
スペインとかポルトガルって、ヨーロッパのアジアみたいなところかも。
どこで会っても子供も老人も皆、「オラ」とニコニコ挨拶する感じとか、顔つきもスペイン語も、なんかなつっこい。
フランス語って、生理的に怖いような、耳慣れないような感じがあるが、スペイン語だったら、気持ちのままに喋れそうな感じがする。
ゆっくりでも大丈夫そうだし。
ああ、行ってみたいなあ、スペインとポルトガル。
寝る前に、天気予報のおじさんが、「青空は続きません」と言った。
なんか、詩みたいな言葉。
さて今日は、12時に、長野君が本の写真を持ってきてくれた。
大テーブルの上に、長野君のイメージで決めた順番に並べていく。
なんか、長野君が入ってきたら、部屋の中の温度が上がった。
長野君の体の周りには、きっと湯気のようなのが出ていたと思う。
写真は、すごいことになっぅていた。
ドキドキした。
う〜〜〜ん。
夜ごはんは、若竹煮、蕪の辛子和え、ひたし豆、鰆のかす漬け、浅蜊と姫皮のおすまし、玄米。

●2006年4月26日(水)明るめの曇り

朝から曇っているけれど、爽やかな日です。
あちこち、ひさしぶりに掃除をした。
撮影がないと、ほんと私は掃除をしないなあ。
ふだんはそんなに気にならないんだけど、掃除機をかける段になると、埃がけっこうたまっていることに驚く。
すっきりきれいになって、ワックスも軽く塗って、原稿の直し。
どうやら、昌太郎君の原稿も完成だ。
桐の花が、ぽつりぽつり咲いてきている。
桐の木って、葉っぱがぜんぜんなくて、枯れ枝みたいなところにいきなり咲くから、毎年このころになると、信じられないような気持ちになる。
茶色い実のようなものが蕾で、茶色い皮が剥け落ちたように、薄紫の花が咲くのだろうか。
サナギから蝶が生れるみたい。
それにしても、どうして原稿が書き上がると、こんなにも清々しい気持ちになるのだろう。
書けない時の悶々とした苦しさのことを、ぜんぶ忘れてしまうくらいの清々しさだ。
まだ、あとがきとまえがきを書かねばならないから、油断はできないんだけど。
今日は、夕方から田中君が打ち合わせにいらっしゃる。
それまでに、もうひと仕事やってしまおう。

●2006年4月25日(火)曇りのち嵐のち晴れ

朝起きてすぐに原稿書きの続き。
どうやら仕上がってきたもよう。
風邪もすっかりよくなり、私は前より元気が出てきたみたい。
お昼に、浅蜊のトマトソーススパゲティとレタスサラダを作る。
曇り空がどんどん黄色くなって、しかも薄暗く、見たことないような色になった。
部屋の中までその色になる。
不思議な天気だ。
お昼を食べながら、「時間が分からなくなるような天気じゃの」とスイセイが言う。
その後、雷が鳴って、大雨が降り、嵐となった。
それからしだいに明るくなり、天気雨も降っていたが、今は気持ちよく晴れています。
春の天気ってなんて激しいのだろう。
でも、風邪をひいている間にゆっくり休んだから、私はびびらない。
大豆を茹でながら、レシピ書きをやる。

●2006年4月24日(月)晴れのち雨

ずいぶん治った。
確実に治った気がします。
でも、油断大敵だから、薬は真面目に飲み続けている。
朝から原稿書きをやり、きりのいいところで美容院へ。
このところ撮影もないから、ずっとさぼっていたが、白髪がけっこう目立っていた。
井の頭公園の地面は、桜のガクで赤く染まり、木々の若葉が黄緑色でそよそよと清々しかった。
帰りに、紀伊国屋に寄ったり、「おいしい魚屋」さんに寄って、ほうぼうの刺し身、しめ鯖、カジキマグロ、鰆の味噌漬け、浅蜊を買う。
空が見る見る灰色になり、大粒の雨が降ってきました。
濡れながら帰ってくる。
春って、天気が不安定なんだな。
帰ってからも、原稿の続きをやる。
夜ごはんは、ほうぼうの刺し身、しめ鯖、おから(ひじき、牛こま、舞茸入り)、レタスと水菜のしんなりサラダ(ちぎったレタスとざく切りの水菜の上から熱湯をかけ、軽くもんで絞る)、浅蜊の味噌汁、玄米。
カジキマグロの切り身は、明日用に酒と醤油とみりんに漬けておいた。
ごはんを食べ終わってからも、原稿の続きをやる。
ここ2日間しっかり休んだおかげで、ちよっと私は元気かも。

●2006年4月23日(日)曇りのち雨

のども鼻も、ずいぶん治った気がします。
でも、できるだけ休もうと思い、12時まで寝て起きた。
スイセイに、「みいは、寝るのが今の仕事じゃけえ」と言われるが、そうもいかない。
本のためのレシピ書きをやる。
調子が出てきたので、原稿書きも少しやる。
スイセイがじっくり私の顔を見て、「みいのんは、知恵熱じゃのう」と言った。
そのとおりかも。
お昼は、豆腐と水菜と卵の中華っぽい薄味スープを作り、炊込みご飯と食べる。
夜ごはんは、かけ蕎麦(きざみ三つ葉たっぷり)、ほうれん草と水菜のお浸し、トマト、板わさ。
ごはんを食べながら、目から上がポーッと熱い。
7度3分の微熱。
すべてのことは明日にまわし、お風呂に入って早めに寝よう。

●2006年4月22日(土)晴れ

朝起きたらのどが痛いし、鼻水も出る。くしゃみも出る。
これ以上ひどくなったら困るので、朝から病院へ。
帰りにスーパーに寄って、風邪に良さそうなものをいろいろ買う。
いちごとか、果物のゼリーとか、青森産のりんごジュースとか。
薬を飲んで、とにかく今日は寝ていようと思う。
夜は、椎茸と白菜たっぷりの煮込みうどん、たこ刺し身、冷やっこ、ポテトサラダ(スーパーの)。
明日の朝ごはん用に、残ったうどんのお汁、椎茸、油揚げ、人参で炊込みご飯を作っておく。
りんごジュースがすごくおいしい。
りんごを食べたみたいな味がする。

●2006年4月21日(金)晴れと曇り

のどの痛みは、ちょっとひどくなっているみたい。
これは花粉のせいなのでしょうか。
今日の天気もまた不思議だ。
晴れと曇りが交互にやってくる。
ラジオの天気予報によると、東京地方の上空に強い寒気があって、今日の天気はとても不安定だそうだ。
今は、入道雲のようなもくもくした雲が青空に出ているけれど、夕方までににわか雨があるかもしれないという。
人参、ソーセージ、キャベツのスープを火にかけながら、原稿書き。
夕方までやる。
のどが痛いが、川原さんにずっと前にもらったカリンの蜂蜜漬けをお湯で薄めて飲んだら、一発でよくなった。
すごいなあカリン。
今日は、原稿がずいぶん進んだ。
夜ごはんは、鶏とエリンギのグリル(鶏を気のぬけたシャンパンと、オリーブオイルで2時間くらいマリネしておいた。皮めからしっかり焼いて、脇でエリンギも焼き、つけ汁で蒸し焼きにし、生クリームと粒マスタードのソース)、コールスロー(キャベツ、人参、ルッコラ)、五穀飯(黒米、もちきび、そばの身、小豆、白米)。
夜、怠いので熱を計ると、7度2分の微熱。



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