2006年11月中

●2006年11月20日(月)雨、降ったり止んだり

9時に起きた。
鼻がぐずぐずしてちょっと辛かったけど、エイッと起きた。
ウォーミングアップとヨガをゆっくりやっているうちに、体が温まってきました。
朝ごはんもスイセイとゆっくり食べ、11時から撮影。
ひさびさの「レタスクラブ」です。
白菜と大根のレシピの数々を、ひとつずつ着実に作っていった。
今日のヒラリンのアシストは、いつにも増して、かなり冴えていた。
片栗粉の容器に手を伸ばした時点で、水溶き用の水をくんでおいてくれたり。
藤原さんの「おいし〜〜い!」で、病み上がりの私はどんどん気分が上向きになった。
昔からぜんぜん変らない、藤原さんの明るさ。
スタイリストの久保原さんも、カメラマンの白根さんも、アシスタントの女の子2人も、気持ちよくもりもり食べてくれるし。
とちゅうで、本澤さんも駆けつけてくれた。
すぐに会社に出掛けなければならないから、ちょっとしかいられないのに。
しかも反対方向なのに、いろいろお土産を持って来てくれた。
なんか、ありがたいなあ。
「レタスクラブ」の撮影というのは、私にとってやっぱり特別だな。
「クウクウ」で働いていたころからずっと、まったく同じメンバーにお世話になっている。
撮影は、4時に終った。
夕方の教育テレビを見ながら、ぐっとくつろぐ。
夜ごはんは、撮影の残りものいろいろと、うどん(スイセイ)、スイトン(私)。
『鶴瓶の家族に乾杯』を見ながら食べる。

●2006年11月19日(日)雨

風邪が治ったみたい。
それでも、10時半まではたっぷり眠った。
胸の中は、昨夜の『東京タワー』にけっこう支配されている。
田中裕子もすごくよかったし、大泉洋もけっこうぐっときた。
蟹江敬三も、よかった。
本、やっぱり読んでみようかな。
あいにくの天気だけど、レシピの仕上げをして掃除。
おばあちゃんが掃除するように、腰を曲げたまま、ゆっくりゆっくり隅々までやった。
明日はひさびさの撮影なので、ワックスも塗った。
外は、冷たい雨が降っている。
時々窓を開けて、外の空気を吸い込む。
桐の木の葉っぱは、私が2日寝ている間に、ずいぶん黄色くなったようだ。
廊下のワックスを塗っていたら、スイセイの部屋からマラソン中継が聞こえてきた。
こんな日に走らなければならないなんて、本当にたいへんだ。
雨で延期とかって、マラソン界にはないのだろうか。
暗くなる前に、撮影の買い物もしてしまう。
もう、外は冬のように寒い。
うちの近所の本屋をのぞいてみるが、『東京タワー』はおいてなかった。
帰ってからは領収書の整理、お米をセットして、だし汁もとって、ちょうど『まる子』に間に合った!。
夜ごはんは、ちらし寿司(鮪、すじこの醤油漬け、錦糸卵、三つ葉、青じそ、海苔)、冬瓜と豆腐のおつゆ。

●2006年11月18日(土)晴れのち曇り

風邪は、昨日よりもひどくなっている。
熱はないけれど、のどと鼻の間に分厚いビニールが1枚はさまっている感じ。
大事をみて、今日もまた、布団の中で『日々ごはん8』のゲラチェックをやる。
腹ばいになってずっとやっていると、腰がくたびれる。
集中が切れてくると、仰向けにうーん!と体を伸ばし、布団をかぶり目をつぶったりもする。
しっかり目をつぶると、太陽の光は目の中で赤くなるけれど、薄目を開けて見ると、シャボン玉のように見えるのを発見した。
色とりどりの光が反射しているレンズのようなのが、3枚くらい重なって見える。
それが、この世のものとは思えないほど、ひじょうに美しい。
そんなこともしながら、ゲラチェック。
太陽が左からだんだん右に移って、薄暗くなってゆく。
くたびれたら少しうとうとしながらもふんばり、7時くらいに全部終った。
ふー。これで計画通り。
あとは、試作をひとつやりながら、夜ごはんの支度。
鶏と白菜のこんがりバター醤油焼き、鰤のヅケ(昨日、お刺身を買っておいたのに、食べるのを忘れてしまったので)、冷やしトマト、白いご飯、卵のお粥(私)。
今夜は、『東京タワー』のドラマがちょっと楽しみ。
ひさしぶりに田中裕子だ。

●2006年11月17日(金)晴れのち曇り

また風邪をひいたみたい。
昨日の夕方ぐらいから、なんとなくのどがいがらっぽかった。
うがいをして寝たのだけど。
今朝起きたら、のども痛いし鼻水も出る。
生理のせいもあるだろうけど、体が怠いです。
朝のうちに郵便局や買い物に行ってしまい、今日は寝ていようと思います。
早く動けないので、自転車をゆっくりゆっくりこいでいたら、『僕の歩く道』の曲(テルアキが、毎朝自転車をこいでポストに向かう時にかかっている音楽)が聞こえてきた。
車の音も、すれ違う人も、自分から遠くのところにある感じ。
風邪のせいだ。
しかし、やっと郵便局に着いたというのに、封筒を忘れてきてしまった。
引き返そうとも思ったが、さすがにそんな元気もない。
仕方がないので、薬局に行って風邪薬を買い、スーパーで買い物。
帰ったらパジャマに着替え、布団の中で『日々ごはん8』のゲラの見直しをやる。
ゆっくり、ゆっくり。
ひと月分やって、布団をかぶる。
今日は、窓いっぱいに白い空が見える。
外は曇って、あんなに寒そうなのに、この部屋にはストーブもあるし、私は布団の中でぬくぬくと温かい。
ぜんぜん無理をしない自分の有り様のまま、やっていることといえば、そんな暮らしを綴った日記を読み直し、自分のペースでチェックしている。
こういうことが仕事だなんて、なんとありがたいことだろう。
夜ごはんは、試作で白菜と豚の重ね蒸しをやる。
すごくおいしくできた。
酒と塩だけなのに、出てきた汁も、白菜の味が出ていてすごくおいしい。
スイセイに、「みいは、病気なくらいの方が料理がうまいのう」とまた言われてしまう。
あとは、スイトン(スイセイ。昨夜の冬瓜のスープの残りで)、のり巻き(スーパーの。お昼に食べた残り)。
9時から、楽しみにしていたシマウマの映画をやる。

●2006年11月16日(木)穏やかな快晴

朝8時半ごろ、うちの母親から電話があった。
「なーみちゃんゴメン、寝てた?最近あんた新聞に載っただら? 何が載ったの? この間ね、お母さん(自分のこと)の友だちが、あんたが新聞に載ってましたよって教えてくれたさや。どんくらい前になるかしら。先週の前の週だったかしら。ほら、うちのファックスの受信が壊れたとかいってたころさや。え? グロワッサン? え? 広告? 。なんだそうかねー。でもお母さん、この間図書館でグロワッサンを見たんだけど、あんたが載ってるとこ分かんなかったさやー」。
「お母さんあのね、グじゃなくてクだよ」。
おかげでもうひと眠りしてしまい、10時半に起きた。
ヨガもさぼる。
さーて、気を引き締めてやらないと。
午後、消してしまったレシピの取り込みを、スイセイがやってくれた。
ついでに机の下や奥の方を掃除したり、昔のパソコン(2台分)や、スキャナーや、キーボード(2台分)やらも片付けてもらった。
けっきょく、新しく打ち込んでいたレシピは、たったの4つだった。
昨日の絶望が夢のよう。
新しい気持ちで、レシピの打ち直しと、新しいレシピの打ち込みをやる。
試作をやりながら、夜ごはんの支度。
夜ごはんは、鶏手羽と大根のこんがりあんかけ、蕪の葉とむき海老の炒めもの、冬瓜のスープ、玄米。

●2006年11月15日(水)晴れのち曇りのち雨

ヨガをやっている時には、鱗雲が見えて、ピカピカの晴れだったのに、午後になったら怪しくなってきた。
それでもベランダに座って、しばし外を眺める。
りんごを食べながら。
昨日、家の中に舞い込んできた紅い葉っぱは、桐の木に巻きついているツタの葉だ。
昨夜は、寝る前に『ソーネチカ』を読み終えた。
やっぱり、本好きにはたまらないすごくいい小説だった。
別に冬だけの話ではないのに、どうしても雪景色や、マフラーやコートやひざ掛けを思い浮かべてしまうのは、ロシアの小説だからだろうか。
本当に、冬に読むのにぴったり。
『ソーネチカ』を読んでいて、最近、ずっと小説を読んでいなかったことに気がついた。
とり込んだ布団に寄りかかって、毛布を腰に巻いて読書。
秋冬の読書は、やっぱりエエのう。
時々、ポチポチ、サワサワと音がするのでベランダに出てみると、小さな雨粒が。
空は、薄ぼんやり晴れている。
ハルも、「あれ?雨なの?」という感じで宙をみつめ、佇んでいる。
事件は、その後に起こった。
パソコンでレシピをやっていて、今まで打ち込んだレシピ500個くらいを、ぶっ飛ばしてしまった。
キーボードのどこかを間違えて押したようで、何が何だか分からないうちにカタカタと小さな音が続き、500個全部がすべて同じレシピに書き替えられてしまった。
なんということだろう。
すぐには信じられなかった。
立ち直れずに、でも、何かをしなければ落ち着かない。
パソコン画面はこれ以上いじらず、とにかくスイセイが帰ってくるのを待とう。
それで、ばななさんの『ベリーショーツ』を読み始めることにしました。
ひとつひとつ読み進むうちに、ぶっ!と吹き出し、ヒーッ!!と大声が出てしまう。
我慢ができない。
可笑しくて可笑しくて、涙がボロボロこぼれた。
イラストもイラストの入り方も、ばななさんの言い回しみたいなのも、チビちゃんの言葉とか言い方も、すべて絶妙だった。
短い話の中に、人間味とか、人生の味わいとか、密やかな喜びみたいなものが、ぼんやり甘いラムネのお菓子みたいに、あちこちではじける。
子供のいたずらみたいな凝った造本も、まさに内容にぴったりのものでした。
これは、たいへんな本だと思った。
夕方、地響きのような雷とともに大降りの雨。
そして、スイセイが帰ってきて見てもらったら、今使っている新しい(引田さんにいただいた)パソコンの中のレシピは消えてしまったけど、前の器械の中に、それまでの分のレシピがそっくりそのまま残っていることが分かった。
ふー。
新しい器械になってから打ち込んだレシピは、たぶん10個かそこらなので、その分だけ打ち込み直せばいい。
古い器械を処分せず、まだそのままにしておいて本当に助かった。
引きとってもらうのにお金がかかるし、面倒くさいから、怠惰で置いておいたのだけど。
ああ、人生って、なんて予想不可能で素晴らしいのだろう… 。
夜ごはんは、スパゲティ漁師風(いか、海老、トマト、にんにく)、ブロッコリーのサラダ。

●2006年11月14日(火)快晴

9時半に起きた。
今朝もまたキラキラ。
こんなに毎日素晴らしい天気が続いていいのでしょうか、と思ってしまうくらい。
ヨガもやった。
洗濯物を干し、ベンチのマットや座ぶとんもベランダに干した。
ついでに座ぶとんの上に座ってみる。
サワサワと風が渡ってきます。
地球は、いいところだなあ。
さて、今日もまたのんびり仕事を始めよう。
『日々ごはん8』の「あとがき」と「おまけレシピ」と、校正の見直しをやろう。
暗くなる前に、「あとがき」がどうにか出来上がった。
ホッと安心し、丹治君にお送りする。
紅い枯れ葉が三枚ほど、畳の部屋に吹き込んできていた。
どこの葉っぱだろうか。
夕方、『ソーネチカ』を出してきて、読み直す。
ぐんぐんと、読み進む。
そして、試作をやりながら夜ごはんの支度。
和風ハンバーグ(焼き蓮根、焼き椎茸、大根おろし)、蕪の葉(清水さんの)と油揚げの煮びたし、生すじこの醤油漬け、冬瓜(山梨に引っ越した直美ちゃんが送ってくれた)と青じその塩もみ、冬瓜のおすまし、玄米。
冬瓜がとてもおいしい。口の中でとろけるよう。
「ほぼ日刊イトイ新聞」のホームページに、「担当編集者は知っている」という、コーナーがありますが、今回、『たべる しゃべる』について、田中君が書いてくれました。
それが、とってもおもしろくて、他の誰にも書けない書評というか、紹介文で、感動しました。
これ以上はここには詳しく書きませんが、「ふくう食堂」のニウスから飛べるようになっているので、皆さん、ぜひとも読んでみてください。

●2006年11月13日(月)快晴

今朝もまたピカピカ。
雲ひとつない。
ヨガはやらない。
スイセイが買い物に出るというので、一緒に出掛けることにしたのです。
「西友」に行くのに、散歩がてらちょっと遠回り。
いつの間にやら、ずいぶんと葉っぱが紅葉している。
陽の光が眩しくて、右側にも左側にも日陰がない道を、てくてく歩いた。
人の家や庭を眺めながら。
どんぐりも拾った。
「無印」で冬用のパジャマを買い、試作用の買い物をして帰ってきました。
帰ってから、アムプリンのホームページを読んで泣く。
昨日、雪が降ったんだ。
その写真を見たとたん、息を飲み、心がしーんと静まった。
コーヒーをいれて、『日々ごはん8』の「あとがき」を書き始める。
夜ご飯は、鶏と白菜のフライパン焼き、手羽先の塩焼き、トマト、味噌汁(大根、蓮根、葱)、ゆかりおにぎり(昨夜の白いご飯で)。

●2006年11月12日(日)快晴

朝起きたら、外がピッカピッカだった。
くっきりとした青い空。
軽くヨガをやる。
あまりに光っているので、台所に来たスイセイに、「見て見て!」と何度も言う。
しぶしぶ窓際から眺めるスイセイに、「だめ、ベランダに出て見て!」としつこく言って、いやがられる。
昨日、一日中雨が降ったから、いろんなものが洗われたのだろう。
葉っぱも、洗濯物みたいに風にはためいている。
あちこち掃除機をかけ、念入りに雑巾がけ。
きれいになったところで、『日々ごはん8』の校正をやる。
この時間はいつも、下の公園にお母さんと子供たちグループが集まって、賑やかにしているのだけど、日曜日ってホントに静かだな。
鳥の鳴き声と、葉っぱが揺れる音。
あとは、時たま飛行機が横切っていく音ぐらい。
校正は、5時半くらいに一通り終って、『まる子』が始まるまで夜ごはんの下ごしらえ。
清水さんの里芋を煮含めようと思って支度をしていたのだが、蒸して塩をつけただけのをどうしても食べたくなり、北海コガネと一緒に、今蒸籠で蒸しています。
あとで、『サザエさん』を見ながら食べる予定。
夜ごはんは、里芋の含め煮(蕪の葉添え)、豚の生姜焼き(千キャベツ)、大根の味噌汁、すじこの醤油漬け、白いご飯。

●2006年11月11日(土)雨

雨もまたよし。
軽めにヨガ。
秋の日の雨降りは、いい匂いがする。
土の匂いなのか、木々の匂いなのか。
雨に濡れた紅葉もまた美しい。
今日は土曜日だから仕事も学校もお休みで、皆、家の中にいるんだろうか。
外は誰も歩いてないし、とても静かだ。
そんな中、『日々ごはん8』のゲラ校正は進んでいく。
とても寒いので、ガスストーブと足元の電機ストーブもつけている。
ちょっとだけお腹がこわれてるけど、穏やかな、とてもいい気分。
あとで試作をふたつやって、晩ご飯のおかずにする予定。
夜ごはんは、秋鮭の味噌漬(ゆで小松菜、清水さんの柑橘添え)、蓮根のはさみ揚げ、なめこ汁、生すじこの醤油漬け、玄米。



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