●2007年2月27日(火)快晴
7時に目が覚めてしまった。
今日からまた活動を始めよう。
まずは、掃除と洗濯。
ずいぶんしっかり怠けたので、頭の中もスッキリはっきりしている。
風呂場の下の杏は、蕾がピンクに膨らんでいる。
いつの間にこんなになったのだろう。
2時にフミさんが来て、保険の話をいろいろ聞く。
今まで入っていたものが更新の時期で、このままいくと、今後1万円以上も多く支払わなければならないらしい。
不思議に思ってよくよく説明を聞いてみたら、それは歳をとるっていうことだった。
つまり、年寄りになればなるほど、病気になったり死亡したりする率が高くなるから。
すごく納得がいった。
りうもひとり立ちしたことだし、この際、自分とスイセイが生きている間の人生に必要な分だけを、整理して組み込むスタイルに変更することに。
夜ごはんは、いかの刺し身(ワタ醤油で)、鰤の刺し身、油揚げとさとうさやの甘辛煮、蕪の葉のおひたし、もやしとニラとクレソンの炒めもの、蕪の味噌汁、玄米。
夜ごはんを食べていたら、テレビから烏龍茶のコマーシャルの音楽が流れてきた。
それを聞いただけで、反射的に涙が出た。
お姉さんと妹の顔が出てきても、涙がにじむ。
情が移ってしまったのだ。
自分が姉妹の叔母さんのつもりになっているような。
でもきっと、あのコマーシャルの作り手たち、場所、空気、すべてに情が移っているのだと思う。
そういえばずっと書くのを忘れていたが、梨木香歩さんの『家守綺譚』という本がとてもおもしろかった。
登場するのは、庭の植物や、花、森、犬、たぬき、河童、人魚、幽霊、山寺の和尚、隣の奥さんなどなど。
生きている人も死んでいる人も、植物も動物も、みんな主人公と同じ空気の中に暮らしていて、言葉だけではないやりとりをしながら、ひょうひょうと当たり前のように暮らしてる様子がいい。
これこそ超現実!っていう感じ。
時々、隣の奥さんが届けてくれる惣菜もおいしそうだし、犬がとてもいい子だし。
本の中は少し湿気があって、すみずみまで古風(明治時代の話らしい)。
これを読んだのは、この間の中国行きの飛行機の中。
シャンパンを飲みながら、リクライニングシートにうづまるようにして読んだ。
これから自分がどんな場所に行こうとしているのか、そして今どこにいるのか。
半分寝ぼけているような心持ちと、宙に浮いた感じが、小説の中の空気にぴったりだった。
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