2007年5月上

●2007年5月10日(木)曇り

昨日は、あちこちで30度を超えたそう。
ラジオでは、「今からこんなに暑くて、本番の夏にはどうなってしまうのでしょうねー」と言っていた。
そうなんだろうか。
そこまで考えてみたことなかったけど。
今日はまた、さわさわと涼しい風が吹いている。
いちおう曇りだけど、たまに陽も出てくる。
夕方から、嵐になると天気予報でいっていたけど。
午前中のうちに、最終校正の確認を電話でして、これで完全に『日々ごはんH』から手が離れました。
ギィエーギィエーとけたたましく鳴きながら、オナガがたくさん遊びにきている。
10羽くらいいる。
桐の花の紫に、ぴったりの色。
さて、これからのんびりとあちこち掃除をしよう。
7時からは新しい本の打ち合わせで、スタッフの皆が集まります。
明日は撮影だから、お酒は出せないけど、お腹を空かしてくる人もいるかもしれないから、おにぎりくらいは作っておこう。
あちこちワックスを塗っていたら、みるみる空が暗くなってきた。
雷が鳴り始めたので、大急ぎで買い物に出る。
ポチポチと大粒の雨が降り、自転車の人たちはかっ飛ばしていた。
考えることは皆同じだ。
スーパーはガラガラで肌寒かった。
雨合羽を着こんだ主婦や、ビニールのズボンをもんぺみたいに履いているおばあちゃんがいた。
でも、スーパーから出たら、外が明るくなっていた。
予想がはずれ、街ゆく人たちもホッとしている様子。
私もそこに混ざっていて、なんか、当たり前な日常の中にいる自分。
自転車をこぎながら、これがいちばん幸せかもって、なんか思った。
夜ごはんは、おにぎり3種(ゆかり、しらすと大根葉、ピリ辛牛そぼろ)、ほうれん草のおひたし、海苔巻きと稲荷寿司(スーパーの)、コロッケ(これもスーパーの)。
新しい本は、またおもしろいことになりそうな予感。
アリヤマ君はさすがだ。

●2007年5月9日(水)快晴

今日もまた、穏やかないい天気。
ジャスミンの匂いも、穏やかな空気に馴染んでいる。
あんまり強くもなく、ホワ〜ンとして。
朝から、『日々ごはんH』の最終ゲラの確認。
ミルクティーをいれ、「スカンク兄弟」を聞きながら、大きな気持ちでじっくりととり組む。
「ホ〜〜〜、ホケキョ… 」と、とても上手に鶯が鳴いている。
鳴きながら、自分ののどに聞き惚れているような具合に、間をとりながら繰り返し鳴いている。
遠くから、保育園の子供たちが遊んでいる声もする。
のどかだ。
土曜日からの中国行きは、ちょっと延びた。
出発が撮影の翌日の予定だったから、なんとなく落ち着かなかったが、その知らせを聞いて、うーんと気が楽になった。
3時くらいから、工事の大きな音が始まった。
けっこう騒がしいが、気にせず校正に入り込む。
夕方、陽が落ち始めたころ、スイセイと走りに行った。
ちょっと翳りが出た時間って、緑が綺麗だな。
水をたっぷりたたえているような、みずみずしい緑色。
濃いのや薄いのや黄色がかったのや青っぽいのや、微妙なグラデーションがある。
そして、紫色の花がまたとても綺麗。
時計草、菖蒲、つゆ草、名前は分からないけど、あとふたつくらい見かけた。
うちの桐の花もそうだけど、今の時期って紫色の花が多いのだろうか。
上水沿いの小道で、(栗の花の匂いがするな)と思いながら走っていたら、前を走っていたスイセイが「ブッ、ブッ」と2回おならをした。
ちょうど、キレイな奥さんが隣を歩いているところで、その音に反応しているようだった。
まあ、別にいいけど。
今日もまた痛いところがなく、苦しくもなく、わけなく公園まで走ることができた。
もしかして、筋肉がついてきたのかも。
夜ごはんは、牛ひき肉と春雨のピリ辛中華炒め(きくらげ、干し椎茸、筍の佃煮、玉葱)、しらすおろし、刺し身蒟蒻(わさび醤油、おろしポン酢醤油)塩もみ人参のサラダ、冷やしトマト、大根の塩漬け、油揚げの味噌汁、玄米。
ごはんの前に風呂に入ったので、片付けをやってから、また校正の続き。
これで最後の最後なのだけど、それでもまたいくつか誤字をみつけてしまった。
でも、みつけられたことがとても嬉しい。
1時くらいにすべて終わりました。

●2007年5月8日(火)快晴

ものすごくいい天気。
暑いくらい。
窓を開けて、作業をやる。
書類を床にひろげてファイリングしたり、これからの仕事のイメージをメモしたり、こんどの撮影のレシピ書きをやったり。
スイセイは、「おこんじきさんしとるんか?」とひと言いおき、また部屋に戻っていった。
おこんじきさんというのは、前にも書いたけど、ホームレスのこと。
子供のころ、箪笥の中の洋服をぜんぶ出してその辺にひろげ、ファッションショーのようなことをしてひとりで遊んでいた。
それを見た母が、「おこんじきさん」と私にあだ名をつけたのです。
自分の持ち物のありったけをひろげて、イメージを遊ばせ、その気になっているところが「おこんじきさん」なのだ。
放っておくと、いつまでもひとりでやっている。
私の仕事は「おこんじきさん」だ。
今日は、なんだかんだと時間が過ぎていった。
ちょっとだけ、気持ちがワサワサとしているみたい。
でも、夕方の教育テレビを見ながら、4月分の小遣い帳もつけた。
せんべいをぼりぼりかじりながら。
その間に、何度か仕事の電話もあった。
ふと気になって味噌のフタを開けたら、白カビがはえていた。
このところ、気温がグーンと上がったから気になってはいたのだけど。
カマンベールチーズみたいな白カビで、匂いも悪くないので、表面のところだけ削り取り、またウォッカの強いので消毒した。
けっこうおいしくなっているけど、もう少し味に深みがほしいから、もうちょっと頑張ってね、とお願いしながら。
夜ごはんは、牛丼(スイセイは丼に、私はおかずにした)、ゴーヤと長葱と菜花の塩炒め、水菜のおひたし(しらすのっけ)、大根の塩漬け、茄子の味噌汁、玄米。

●2007年5月7日(月)明るい曇り

窓を開けたら、ジャスミンの匂いがムワ〜ンと上がってきた。
ちょっとくさいほどだった。
下を見ると、白っぽくけぶって咲きほこっている。
もうそろそろ、栗の花の匂いも始まることだろう。
世の中は、連休明けで今日から仕事が始まっているんだろうな。
私はというと、まだボワーンとした頭の中だ。
でも、そろそろ支度をしないと。
土曜日からまた中国なので。
クリーニング屋さんやら、あちこち買い物へ。
5時過ぎに出掛けても、明るいうちに帰ってこれた。
ずいぶん日が長くなったものだ。
夜ごはんは、細魚のお刺身、白滝と生わかめの薄味煮、鮭の西京漬け、ゴーヤと胡瓜の梅酢醤油(みょうが、青じそ)、しらすおろし、浅蜊の潮汁、筍ご飯(油揚げ)。
大家さんにいただいた筍、これでぜんぶ食べ終わった。
今年の食べ納めだ。
今日の筍ご飯もとてもおいしかった。
さーて、今夜は『世界ふれあい街歩き』だ。

●2007年5月6日(日)雨

雨はいいなあ。
昨夜が楽しかったので、今日はぽっちりとしている。
ちょいと二日酔い。
こういう日の雨というのは、体の中をきれいに洗い流してくれる感じがする。
内臓も、心も。
2時からは、丹治君と打ち合わせです。
ゆったりと落ち着いていろいろ話し、4時くらいに終わった。
卵かけごはん(私)とお茶漬け(スイセイ)を食べ、ふたりして昼寝する。
布団の中で体を伸ばし、カーテンを開けたまま、びしょびしょと降る雨の音を聞きながら。
夜ごはんは、もやしとニラの炒め物、わかめのお刺し身、冷やしトマト、サッポロ一番味噌ラーメン(スイ)、塩ラーメン(私)。
今夜の『情熱大陸』はニノだ。
二宮和也のことです。

●2007年5月5日(土)快晴

夏みたい。
昨日は、群馬県と埼玉のどこかで、29度を超えたところがあったそうだ。
さて、1時から打ち合わせで田中君がいらした。
スイセイは張り切っていた。
なんだかんだと出てくるままに話し会い、4時過ぎにだいたい終わった。
こんどはどんな本になるのだろう。
締め切りも急いでないし、転がるまんまに任せようということになった。
では、これから、明るいうちにビールを飲みに行ってきます。
リーダーが アルバイトしているやきとり屋さんに、ナツコ、ヤーノ、ちよじと行く。

●2007年5月4日(金)快晴

いい天気。
ゴールデンウィークだからといって、うちはたいして関係ないはずなのに、でも、なんとなしに遊びたい心が湧いてくる。
ムクムクと、楽しい気分。
午前中は、『日々ごはんH』のレシピとあとがきの校正。
お昼を食べて、明日の準備(新しい本のための打ち合わせの)をやった。
ちょっと陽が翳ってきたころ、スイセイと走りに行く。
今日は、自分が走っていることを忘れる瞬間があった。
何か考え事をしていて、(あれっ、そうか走ってたんだ)と気がついた。
「それはええことで」と、スイセイに褒められた。
余裕があるので、公園のグラウンドも一周した。
体を動かすのが、とても気持ちいい。
スーパーで買い物をして帰ってきました。
気分は夏全開なので、夏っぽいものをいろいろ買った。
茄子、ピーマン、おくら、青じそ、胡瓜、セロリ、みかんのアイスキャンディーなど。
夜ごはんは、お刺身盛り合わせ(中トロ、いか、真鯛、カジキ)、そうめん(みょうが、生姜、葱、青じそ、おくら)、焼き茄子、いんげんのくたくた煮、浅蜊のそのまま蒸し、つぶ貝の塩ゆで、ほうれん草のおひたし。
「海の民宿みたいじゃのう」と言われる。貝やらお刺身やら並んでいたからだ。
窓をいっぱいに開けて食べていたら、ジリジリという虫の声がした。
もしかして蝉だろうか。
風呂上がりに窓を開けると、ジャスミンのいい匂い。
蝉らしき虫も、まだ鳴いている。

●2007年5月3日(木)快晴

たっぷりと12時過ぎまで寝た。
ああ、今日は何もやることがない。
昨夜のたこ焼きパーティーは、とても楽しかった。
ちよじの実家から送られてきた、たこ焼き器(電気式)でやった。
生地を流し入れる、ステンレスの漏斗みたいなのまで送ってくれてあった。
器もキョウギが舟形になっているもので、本格的。
『ためしてガッテン』で見たばかりだから、得意になって私がやろうとしたら、ひっくり返すのとか、ナツコの方がぜんぜん上手だった。
テキヤのおじさんになりきってやるのがコツらしい。
出来たのを、たこ焼きをひっくり返す串に3個くらいさして器に盛りつけるとこまでそっくり。
ナツコはリーダーの分、私はスイセイの分をお土産にもらい、1時過ぎに帰ってきた。
近所の友だちが少人数で集まるのって、気楽でいいもんだな。
そんなに深飲みしなくても、気のおけない長屋みたいな仲間たちだから、いっしょにいるだけで楽しい。
開けっ放しにした窓からは、新緑の木々が見えて、風が通って。
皆は半袖のTシャツで。
私は靴下を脱いで。
たわいのない話をしたり、音楽のDVDを見たり。
今日は、やることがないので昼間のうちに風呂に入った。
ベランダに出て髪を乾かしながら、爪を切る。
どんぐりの緑は、ずいぶんワサワサになったものだ。
夜ごはんは、エスニック。
筍を何にしようかと思いながら料理本を眺めているうちに、エスニックになった。
カジキマグロは醤油とみりんに浸けてあったのだけど、だしも昆布とにぼしでとったのだけど、気にせずに。
タイカレー(カジキマグロ、南瓜、筍、タイの大唐辛子、ココナッツミルク、カレー粉、ガラスープの素、ナンプラー、だし汁)、春雨サラダ(海老、玉葱、きくらげ、レタス、ナンプラー、ライム汁)、玄米。

●2007年5月2日(水)快晴

午前中に仕上げをやって、お昼には『日々ごはんH』の原稿をお渡しした。
これで、ほとんど手が離れました。
天気もいいことだし、気分も晴れやかなので、西荻までサイクリング。
「魯山」で気になる器の展示をやっているので。
緑がさわさわと、風も心地よかった。
日向は暑いほどで、ちょっと汗ばんだ。
急須と、大きめのコーヒーカップ、オーブンにも入る黒い直火皿を買ってきた。
ひさびさに、おいしいコーヒー豆も買ってきた。
さてこれから、ちよじ&ヤーノの家に遊びにいってきます。
ナツコも呼んで、たこ焼きパーティーだって。
今、まだまだたっぷりあるゆで筍で、五目ちらし寿司(筍、かんぴょう、干し椎茸、しらす、卵、海老おぼろ)を作っている。
これが出来上がったら、明るいうちに出掛ける予定。
あとは、セロリとみょうがの塩水漬けと、新わかめも持っていく。
スイセイは、事務の仕事で大忙しだそうなので、ひとりでフラーッと遊んできます。

●2007年5月1日(火)小雨

午前中からずっと校正をやっていた。
今日もまた、「スカンク兄弟」を繰り返し聞きながら。
畑さんたちの歌声を聞いていると、応援されているような気持ちになる。
よーし、私も頑張るぞ。
雨はそれほどひどくないので、外はけっこう明るい。
部屋の中も、同じペースの安定した空気がずっと流れていた。
とちゅう、インスタントコーヒーをいれたり、紅茶をいれてケーキを食べたりしながら、集中の空気を保ちながらやった。
買い物には行かず、あるもので夜ごはん。
夜ごはんは、ラーメン(ゆで卵、蕪の葉、メンマ)、筍とエリンギときくらげの中華炒め。
昨夜、大家さんにいただいて茹でておいた筍が、すごくおいしい。
ぜんぜんエグミがないし、歯ごたえも絶妙で、野性的な味がする。
充分に肉の代用になる。
大きく育ったものでも、まだまだおいしいことがよく分かった。
採りたてだったからだろうか。



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