2007年6月上

●2007年6月10日(日)雷雨のち曇りのち晴れ

■■■スイセイ留守ごはんX5・4日目■■■
雷の音で目が覚めた。
かなり近く、窓から見えるかぎりの大空間に、雷のエコーが反響している。
だが怖くない。重低音がささやいている。
ほれぼれするようなヴォーカルだ。

どしゃぶりがフェイド・アウトして教習所で2時間。
イメージトレーニングの甲斐あったか、まーうまくいった。
この物語の肝筋を掴んだように思う。
これで少々のイニシアチブが取れるので、余裕ができる。先が開けてきた。
教習所を出ると、雲間の太陽がおれを射した。

数十年ぶりに人にものを教わり始めて感じるのは、おせっかいなキヅカイだ。
親切が目の前を通って、端に当たって帰って来る。
カエシがあるくらいのキヅカイ。
そのキヅカイに返答しながら自分のこともやる。
ハンドルはどう持ってもいいじゃないか、と思いながら教官の言う型通りにやる。
ハンドブレーキはどう上げてもいいじゃないか、と思いながら教官の言う型通りにやる。
教わる側が感じたり失敗したりすることが、ずっぽり抜け落ちている。
主体がないじゃん。
と思うが、ここでは戦いたくないのでワタクシもこの美しい国の住人であることを示す。
ま、ここはちゃっちゃと済ませよう。
そいで自分をやろう。

朝ごはん:納豆スパゲッティ。
昼ごはん:菓子パン、牛乳。
夜ごはん:熱熱の山芋とろろごはん(白米)。
ごはんは、ごはんだけでおいしい。熱熱は最高の味付け。
■■■スイセイ留守ごはんX5・おわり■■■

●2007年6月9日(土)曇りのち雨

■■■スイセイ留守ごはんX5・3日目■■■
曇りだが洗濯をし、台所の換気扇フィルターの掃除。
それから、自分の運転の問題は低速走行一点であることを昼寝起きに悟った。
マニュアル車の低速走行は、クラッチ(左足)とアクセル(右足)のペダル調節で行うが、これを無意識にすること。
そうすると意識をハンドルの動きや、他に持っていける。
ハンドル操作も、できれば無意識にしたい。
するともっと自由に運転できる。
少し考えて、やっぱりハンドル・ペダル模型セットを作ることにした。
ハンドルは段ボールを直径37センチの円に切って、これをカメラの三脚に取り付けた。
高さや角度の調節ができ、下に例のペダル模型を置ける。
んんと、でけた。
使い勝手は? まーまー良かろう。
このままじゃ、段ボールの自動車ができてしまう。

朝ごはん:トースト、ゆで卵、牛乳。
昼ごはん:海老野菜炒め、ラーメン。
夜ごはん:トマト丸かじり。
夜食:ウインナ炒め。

●2007年6月8日(金)晴れ後、午後から曇り

■■■スイセイ留守ごはんX5・2日目■■■
朝からイメージトレーニング。
洗濯物をつけおき。
今日は教習の日なので胸がドキドキしないよう、コーヒーを控える。
どちらかといえばビール飲んでリラックしたいが、ブラックジョークになってしまう。
アルコール以外のリラック飲料はないのか。

さて、午後の教習はわれながら前回より格段の進歩で、練習の甲斐あってハンドル操作もうまくできたが、ペダルが未熟でゆっくりの左折がうまくいかなかった。
まー、正にそれを習ってる最中なのですべてがうまくいく筈はないが、追加1を貰ってしまった。
じゃーん。
そうか、そういうしくみだったか。
教習コースのしくみがイマイチ理解できてなかったが、これで解った。
途中でもだめ出しを喰らうのか。
追加教習の予約金イクバク也を機械に挿入しながら、我が身にもこの教訓を刻む。
こういう実技ものは、結果としてからだに覚えさせるしかない。
なんでもいいから、それに似たものをからだに触らせる。
期間中、いかにたくさんそれができるか。
あと、ほんの少しだが、運転の楽しさが見えたように思う。
2時間の教習だったがやっぱり緊張したのか、うちに帰ると眠気に襲われ夕方の昼寝。

朝ごはん:作り置きの肉野菜炒め、納豆スパゲッティ。
昼ごはん:菓子パン、牛乳。
夜ごはん:ラーメン。

●2007年6月7日(木)朝は晴れ、それからも

やっぱりよく眠れなかった。
寝ているのだけど、ずーっとどこかが起きている感じ。
でも、朝方、ロボの夢をみた。
寝る前に、もういちどビデオを見たからだ。
ビデオってすごいな。
それでは行ってきます。
今朝もまた、スイセイが送ってくれる。
ありがたいことです。
■■■スイセイ留守ごはんX5・1日目■■■
家人の出張に少しづつ慣れてきた。
前回より5分ほど早めにうちを出、落ち着いて見送ることができた。
うちに帰ってゴミを出し、朝寝。
しかし今回は湿気た独身世界に浸っている場合じゃない。
自動車教習の真っ最中だ。
昔はバイクに乗っていたが、乗らなくなってから長い間歩行者だったので道路の端を遠慮がちに歩いていたが、これからは堂々と道の真ん中を使うことができる。
時空縦横無尽移動システムを使うことができる。外国にも行ける。
東京郊外に暮らすショボクレ男の夢は拡がるばかりだ。
今日は一日置きの休みの日だが、実技の復習と予習をやって置きたい。
実技の復習予習とはつまりイメージトレーニングだ。
これは工作と一緒で、まるで呪うように暇さえあればそれを想像する。
想像する、想像する。
ソウゾウする、祖宇ぞ鵜する。
試験に落ちると日程もさることながら、予算にも影響するので気が抜けない。
貧乏性なのでお金が関わると致命的に弱い。貧乏性の皮膚に覆われている。お金の万力で締めつけられている。
こんなことしてる場合じゃない。

夕方、免許の本を買いに出かける。本自体の内容は教習所で貰った本とまったく同じ内容だがDVD付、1470円。DVDがすごく欲しかったので他に選択肢なくこれを購入。得したような損したような。
それから帰りにコンビニで段ボールを貰う。
どーするかと言えば、アクセル、ブレーキ、クラッチのペダル模型だ。それぞれを踏むと輪ゴムが伸びてペダルが倒れ、離すとまた戻る。あまり迷わずに30分で完成。
実際に試すと、ええ感じ。おお、あまりの出来栄えに、たった独りの部屋で感心する。「伊藤園おーいお茶」の段ボール。
これはトイレに置いて、用を足すたびに練習する。
それから、うちの丸い座面の回転する椅子を適当な角度に傾けて、つ、つまり自動車のハンドル模型だ。風呂の椅子に腰かけるとちょうどいい高さになった。
少しづつ、ゆっくり、そこに近づけ。
いま、できることをやれ。

ペダル模型とハンドル模型は合体できないのか。
高さが合わないので、今はまだできない。

朝ごはん:ソーセージ丸かじり。
昼ごはん:トースト、牛乳。
夜ごはん:冷たいかけ蕎麦。

●2007年6月6日(水)晴れ

とても爽やかな日。
アムの電話で起きた。
ちょいと二日酔いだったので、だらだらと寝ていたのです。
北海道は今、たんぽぽがいっぱい咲いているそうだ。
陽が出ると暑いけど、空気が乾燥しているから、風が爽やかで涼しい。
そんな話を聞いていたから、東京の今日の天気まで、すっかりそんな気になってくる。
風がサワサワと吹き抜け、緑の葉っぱを揺らしている。
ベランダに足を投げ出して、アイスを食べた。
昨夜は、すっかり飲んでしまった。
打ち合わせが終わりかけたころ、ビールを飲み始めた。
岡どんに聞かれると、どんなことでも私は答えたくなってしまう。
聞かれないことまで、洗いざらいこの人に伝えたい、と思ってしまう。
自分の中身を、ぜんぶこの人にくれてやりたい、と思う。
そう思わせる人だ。
岡どんて、編集者としてのものすごい何かを持っている。
相手は私だけではないのだから、頭の中に、いったいどれだけのひき出しがあるのだろう。
すごいなあ。すごいなあ岡どんは、とずっと思いながらビールを飲んだ。
戸田さんも、そんな岡どんにしっかりついて行っている。
ふたりは9時半くらいに帰っていったが、『セクシーボイスアンドロボ』を録画しながら、私とスイセイはまたつづきを飲み始めた。
というわけで、今日ビデオを見た。
もう、ぼろ泣きだった。
すごく良かった。
ロボも、よっちゃんも、真面目な顔をするとすごいハンサムで、ドキドキしてしまった。
ロボが、小林聡美をじーっと見つめるところなど、自分のことでないのにすっかり照れてしまい、またドキドキした。
夜ごはんは、冷麺(ゆで卵、キムチ、わかめ、青じそ)、水菜とほうれん草のおひたし(しらすのっけ)、いかのワタ焼き、焼き茄子(米茄子でやった)。
米茄子をどうやって食べようかと考え、思い切って焼き茄子にしてみた。
あんなに大きいのに、いがいと早く中まで柔らかくなった。
とろりとしておいしいんだけど、なんかイマイチ。
やっぱり焼き茄子にするなら普通の方がいいかも。
さて、明日からまた中国だ。
今夜は、もういちど『セクシーボイスアンドロボ』を見て、さっさと寝よう。

●2007年6月5日(火)ぼんやりした晴れ

中国で仕事をしている夢をみた。
それでなくても緊張するのだから、ぼんやり暮していたのに。
夢は正直だなあ。
あさってから、また中国です。
今日は、出掛ける前のひと仕事と、あちこち掃除。
夕方から、「クウネル」の打ち合わせ。
仕事をいただけるのももちろん嬉しいのだけど、ひさしぶりに岡どんに会えるのが、とても嬉しい。
「クラムボン」「キセル」「スカンク兄弟」のCDを次々かけながら掃除をしているうちに、どんどん楽しみになってしまい、ビールを買いに行く。
夏らしいつまみもいろいろ買ってきた。
谷中生姜、胡瓜、米茄子(高知の。ツルッピカなのが1個100円だった)、砂肝、麦いか(岡どんはいかが好きだから)など。

●2007年6月4日(月)晴れ

粉っぽいような晴れ。
全体に黄色がかった空気。
このところずっと肌寒かったけど、今日はぼよよんと暖かい。
タイルの陽の当たったところに、ハルがべったりと横長になっている。
頭までくっつけ、耳だけが動いている。
布団を干しながら、起こさないように「ハル〜〜」と小声で言ってみると、ますます耳が忙しく動いた。
昨夜アップした日記を読み返してみたら、たくさん誤字があった。
皆さん、読みにくいものを出してしまい、ごめんなさい。
スイセイが教習所から帰ってきたら、直したものをアップしてもらおう。
さて、私は数字打ち込みの続きだ。
終わったら、合羽橋に出掛ける予定。
1時くらいに家を出る。
焼き鳥を焼いている店、今日はまだ開いてなかったけれど、店の向い側の道に、発砲スチロールに植わった朝顔があった。
合羽橋と朝顔って、なんかぴったり。
江戸っ子という感じ。
目的の物をテキパキと買い、ふらりと入った店で、ホーローのぬか漬け容器の感じがいいのをみつけた。
冷蔵庫にも無理なく入れられる。
このところ、水茄子についてきたぬか床で蕪や大根、胡瓜、人参を漬けている。
昨日は茄子も漬けた。
そのぬか床を利用しながら新しいぬかも加えて、ちょっとぬか漬けをやってみようかと思って、買った。
「田原町」の駅に向かいながら、ふと向こうの通りをふり帰ると、「ペリカン」の大きな看板が。
憧れのパン屋さんが、あんなに近くにあったとは。
迷わず買いにいく。
店がまえも、パンと同じにそっけなく、でも清潔で、温かい感じがしてとてもいい。
目の前で、男の子の職人さんが二人並んで、ツヤツヤのロールパンを焼いていた。
もっとじろじろと見たかったが、なんとなく気後れしてしまい、食パンとロールパンをサッと買って、サッと出てきた。
帰ってから、『おじゃる丸』を見ながらロールパンを食べる。
軽すぎるものが多い中、ここのはもっちりと噛みごたえがあり、何もつけなくてもとってもおいしかった。
ひとつはそのまま、2個目はソーセージをはさんで黙々と食べた。
夜ごはんは、豚の生姜焼き(甘味をまったくつけずに、酒と醤油と生姜のみ)、蕪の葉の塩炒め、茄子のくたくた煮、蒟蒻のピリピリ炒め、わかめのおひたし、天ぷら(昨夜の玉葱)の甘辛煮、蕪の味噌汁、玄米。
明日の朝、食パンを焼いて食べるのが楽しみだ。

●2007年6月3日(日)曇りのち晴れ、肌寒い

朝から大失敗。
昨日せっかく打ち込んだ数字のファイルを、まちがってぜんぶ消去してしまった。
この怒りを、誰にもぶつけることができないので、「もう〜〜〜〜!」と叫んだ。
パソコンに向かって。
しばらく何もする気がなく、まっ白になっていたが、仕方がないのでもういちど始めからやる。
その打ち込みの早いこと。
怒っているからだ。
昨日の半分のスピードでやった。
残りは明日にまわし、ひさびさに図書館へいく。
図書館は、日曜日のわりには空いていた。
そのまま買い物へ。
そら豆がずいぶん安くなっていたので買う。
パンパンに入って、1袋398円。
さやを剥いたら、色も鮮やかなぷっくらと大粒なのが転がり出た。
3月から出回っているけど、そら豆は今が盛りなのだ。
夜ごはんは、ざる蕎麦(とろろ芋、みょうが、わさび、葱、納豆)、わかめのおひたし(昨夜の)、茄子のあっさり煮、鰹の塩たたき(半分はお刺し身にし、にんにく+生姜醤油で)、天ぷら(そら豆、玉葱)、水菜のおひたし(昨夜の残り)。
今夜もまた、みどりちゃんの本から、鰹の塩たたきを作ってみた。
カリッと香ばしく、目先が変わっておいしかった。
そら豆をオリーブオイルで炒めるのもやりたかったが、明日のお楽しみにして、天ぷらだけにしておいた。

●2007年6月2日(土)曇り

ミニバラは、今日こそが完璧に開いたのだった。
芯のところが黄色くて、花弁は微妙にプリーツを寄せながら巻きかえり、少女マンガに出てくるピンクのバラそのもの。
小さいけど、ちゃんと高貴な感じを漂わせている。
花が1輪だけというのも、またいいんだな。
午後から、少しずつ晴れ間が出てきた。
さて、今日もまたコラムの続きをやろう。
コラムを仕上げてお送りし、午後からはスイセイの手伝いで、ひたすら事務作業。
電卓で計算している「るきさん(高野文子さんのマンガ)」のことを思い浮かべながら、その気になってやる。
「クレマニール、イソメニール、ハイチオール」カチャカチャカチャ… 。
キーボードの右端の数字が並んでいるところが、私の電卓だ。
スイセイは2時くらいに教習所へと出掛けていった。
夜ごはんは、中華風五目炒め(海老、キス、きくらげ、豚肉、ピーマン)、水菜のおひたし(みょうが、生姜)、わかめのおひたし、胡瓜と生海苔の合わせ酢、落とし卵と葱の味噌汁、玄米。
みどりちゃんの新刊『酒のさかな』は、一読者のひとりとして、(まさに、こういうのが欲しかった!)という本。
牧野さんの挿画も、装丁も、大好き。
えらそうなことはいえないが、本の中の空気が、1冊の本の形の中に、すとんと風通しよく収まっている。
めくるのにも、読むのにも気持ちがいい。
昨夜、布団の中で読んでいて、私は飲み屋をやりたくなってしまった。
夜ごはんの水菜のおひたし、わかめのおひたし、合わせ酢も、ぜんぶ本のレシピ。
わかめのおひたしはつけ合わせにもなるから、本にあるよう多めに作っておいた。
「このわかめ、味がついとる」と、スイセイも気に入っていた。
うちの常備菜になりそうだ。

●2007年6月1日(金)雨のち晴れ

チュルチュルキュルキュルと響きわたる声がしてベランダから顔を出すと、よく茂った緑の中から、小さな鳥が2羽飛び出し、追いかけっこをするように向こうの方に飛んでいった。
鳴き声はよく聞くけれど、何の鳥だろう。
シジュウカラだろうか。
昨日も、今朝も、さんざん降ったから、今日の青空はとくべつに明るい。
公園の小道を、白い日傘をさしたおばあちゃんが歩いてゆく。
ミニバラは、今日完全に開いた。
小さいけど、いっちょまえのバラの形をしています。
昨夜は、めずらしく1時過ぎまでパソコンに向かっていたおかげで、コラムがずいぶん形になってきた。
締め切りまでにはまだ何日かあるので、お薦めする本を、もういちど読み直している。
リーダーからエプロンの直しが仕上がったとメールをもらったので、受け取りにいく。
気分がいいので、いつもの洋服屋さんにも足をのばし、夏ものをいろいろ買った。
帰って荷物を置き、そのままスーパーに行って青梅を買う。
南高梅のいいのがあった。
青いんだけど、ところどころ赤味がさしているのもある。
へたを取っている時、青りんごのような匂いがした。
今年の梅酒は、普通のと、長尾さんの真似をして黒糖焼酎のと2種類漬けた。
黒糖焼酎の方は、氷砂糖が足りなかったので、黒砂糖を加えてみた。
前に、ヒラリンが漬けた黒砂糖の梅酒が、とろりとしておいしかったのを思い出したので。
さあ、今年の梅酒はどんな味になるだろう。
私はあんまり飲まないけど、ほとんどナツコとリーダーのために毎年漬けている。
夜ごはんは、ホットプレートを出して鉄板焼きそば(いか、豚肉、キャベツ)、いんげんのオリーブオイル蒸し、トマト、ゴーヤとらっきょうの炒め物(残り)、いかゲソのわた焼き(ホイルに包みホットプレートで)、ぬか漬け(水茄子についてきたぬかで、きゅうり、大根、蕪を漬けた。とてもおいしい)、白いご飯。
今日は、スイセイが病院に検査に行ったので、缶ビール1本をふたりで半分ずつの乾杯。
結果はというと、前回よりちょっといいそうだ。
もうひとつ、スイセイが自動車の教習所に申し込みに行き、さっそく明日から通うことが決まったのにも、小さく乾杯した。



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