2007年8月下

●2007年8月31日(金)曇り時々小雨

11時半まで寝た。
今まで着ていた(若いころからの)洋服が、全部なくなってしまう夢をみた。
洋服ダンスの中は、見事にからっぽ。
心細く、これからどうしたらいいのだろう… という気分で目が覚めたが、現実の私は、どうやら元気が戻ってきたみたい。
お腹も、ずいぶんいい感じになってきた。
朝ごはんを食べ、あちこち掃除して、ぞうきん掛け。
曇ってはいるけれど、昨日みたいに重苦しくはない。
蝉も鳴いているし、爽やかな風が吹いてくる。
もう、秋風だろうか。
さーて、『おかずとご飯の本』のレシピ直しを、今日から始めよう。
その前に、ゲラの最終校正を1本やってお送りする。
『かもめ食堂』って、料理のことを言っているようで、いろんな意味を含んでいる。
見終わってずいぶん時間が経っても、まだ余韻の中にいる。
じわじわといろんなことを思い、つながる。
「白いカーネーション」て、そういう歌だったんだな… と思ったり。
夜ごはんは、パエリア(鷄肉、海老、茄子、トマト、タイム、サフラン)、じゃが芋だけのグラタン(ディル)、キャベツと人参のサラダ。
このところずっと料理熱から離れていたが、今日はていねいな気持ちで作った。
冷蔵庫の残り物でだけど。
『かもめ食堂』の影響です。
本当は、生鮭を買ってきて、サーモン・プレートにしたかった。

●2007年8月30日(木)降ったりやんだり

お腹は、ますますひどくなっている。
ちょっと頭も痛い。
この寒さで、夏風邪をひいたのだろうか。
それとも、これが有名な夏バテか。
とにかく今日は、ひたすら寝ていようと思う。
8時になってもまだ寝ていたら、夜ごはんはスイセイが作ってくれた。
どうもおかしいと思い、ごはんの前に熱を計ると7度4分。
夜ごはんは、おかゆ(私。卵、にら、たらこ)、薩摩揚げの薄味煮、南瓜煮(昨夜の残り)、たらこスパゲティ(スイセイ)。
夜、寝る前に『かもめ食堂』をまた見る。
プールのシーンが大好き。
カーネーションの歌が、耳の中でずっと鳴ったまま眠る。

●2007年8月29日(水)曇り

お腹はまだピーピー。
でも、気持ちは元気。
朝からゲラの校正を2本やり、本を読んだりして過ごす。
午後からは、てくてく歩いてスイセイと銀行へ。
そして、井の頭公園を散歩。
森の中にある「ペパカフェ」でお昼を食べる。
シンハービール(私)、コーラ(スイ)、生春巻き、トムヤムラーメン、ベトナムアイスコーヒー(私)、アボガドとチョコレートケーキとココナッツアイスのパフェ(スイ)。
ひさしぶりに行ったけど、ぜんぜん雰囲気が変わってなくて、とてもくつろげた。
帰りにアウトドアの店など覗いて、薬局にも寄る。
「TSUTAYA」でDVDも借りてきた。
たいしたことはしてないのに、あっという間に日が暮れてしまった。
それなりにくたびれて、てくてく歩いてやっと到着。
夜ごはんは、冷や汁かけ玄米(スイセイ)、おかゆ(私。にら、卵、梅干し)、ほうれん草とピーマンの炒め物、南瓜煮。
夜、『かもめ食堂』を見た。
大好きだった。
笑ったり、泣いたり。
ほとんどの時間、涙が出っ放しだった。
料理のいいところを、こんなにも表した映画って、他にはないのではないだろうか。
フィンランドの空気のせいなのか、カウリスマキの色とも重なった。

●2007年8月28日(火)晴れのち曇り

昨夜は、寝る前にちょうど目の前に月があったので、寝ころんだままもういちどやってみた。
じっと月だけ見ていたら、そのうちぼやけてきて、光の帯が出てきた。
でも、額ではなく、お腹の辺りにしか届かない。
なので、お腹から注入してみた。
今朝は、9時過ぎに丹治君の電話で起きた。
放っておいたらいつまででも寝てしまいそうだったので。
お腹はピーピー。
中国で食べたものが、今になって出ている感じがする。
あちこちに電話連絡をしたり、ゲラの校正。
あんまり暑い部屋で集中してやっていたので、鼻血が出そうになった。
気がついたのは、ぜんぶ終わってからだったが、今、クーラーをつけました。
ふー。
なんて涼しいのだろう。
スイセイは、ペットボトルで作った「クルクル君(風で回る風車のようなの。でも、普通の風車の形ではない)」の調整をしている。
上半身裸で、パンツだけ。
私は、ムームーみたいな簡単服。
今日は、夕方から月食がある。
月仲間の川原さんから、時間の情報が送られてきた。
******
今晩の月食情報、
18:52にはじまって(地球の影がかかりはじめる)
19:37が食の最大(影の真ん中にすっぽり入る)
20:23に終る(本影からは出るけどまだ微妙に赤胴色)
******
しっかり曇っているけど、7時くらいに公園に着くように出掛ける。
腕を大きく振って、早歩き。
グラウンドの芝生に座っていたら、白いTシャツの人が、自転車に乗ってフラ〜ッとやって来た。
やっぱり! 川原さんでした。
別に約束はしていなかったが、会えるような気がしていた。
こんなに曇っているから月食は見られないかもしれないけど、もしかして、ひょっとしたら、雲が切れて一瞬でも見られるかも? 。
という淡い期待を胸に、お互い(3人)がやって来た。
皆の顔がよく見えるから気がついたのだけど、同じくらいの時間なのに、昨日よりも断然明るい。
なんとなしに、辺りが赤っぽいような気もする。
雲の上に、赤銅色の月があるのだろうか。
しかし、見る間に雲がどんどん厚くなり、そのうち雷まで鳴り出した。
それでもしばらく空を見上げていたが、ぽつりぽつりと雨粒が落ちてきて、解散。
公園を出たところで、大粒の雨。
あっという間に土砂降りとなり、頭にタオルを巻いて、走って帰る。
頭にも体にも強いシャワーを浴びているようで、やたらに開放的で、笑いながら私は走った。
夜ごはんの時、窓を開けたら、雨上がりのクーラーみたいに涼しい風。
焼き茄子、卵と豆腐、鮪のヅケ、冷や汁とポテトサラダ(昨夜の残り)、玄米。

●2007年8月27日(月)晴れ

だらだらの日。
本を片っぱしから読んで、布団の上でごろごろ過ごす。
言葉がどんどん体に入ってくる。
こういうのは、ひさしぶり。
原稿の確認と、ゲラの校正を1本。
原稿を読んだとたん、新しい仕事のイメージがぐんぐん広がった。
夕方、図書館に行き、2冊借りて買い物へ。
暗くなってから散歩。
スイセイは眼科の検診で、瞳孔を開く目薬をさした。
その効き目が消えないうちに、散歩に行きたいという。
光の加減が、ものすごく綺麗だそう。
いちいち立ち止まっては指さし、「ほおー!」と感嘆していた。
歩きながら、私は喋る喋る。
さっきまで読んでいた本の内容や、子供のころのことを。
中央公園のグラウンドに着いても話しながら歩いていたら、薄暗がりの中から「アレッ?」という声が。
目をこらすと、芝生の上に川原さんがあぐらをかいていた。
夜ごはんは、真鯛の刺し身、冷やしトマト、ピーマンの網焼き、ポテトサラダとうずらの卵フライ(スーパーの)、冷や汁(白ごま、鯵の干物、豆腐、味噌、みょうが、青じそ、胡瓜)、玄米。
風呂から上がって、また月を見る。
川原さんに教わった様にして。
月だけをじっと見ていると、丸い形が膨張してくるようだけど、光の帯はやっぱり見えなかった。
川原さんは、夏の間食欲がなく、ちょっとバテ気味だったので、月からパワーをもらおうと思って散歩に出たんだそう。
「じっと月を見ていると、月の光が自分のおでこのところに届くから、注入してたの」と言う。
それはまるでレーザー光線みたいだそうで、月の円より少しだけ幅広い光の帯が伸びて、ちょうど額の真ん中に当たるんだそう。
月周辺の帯はプリズムのようになっていて、すごく綺麗なんだそう。
私も真似してやってみた。
川「ちょっと目を潤まして、ぼやかすような感じかな」。
寄り目にしたりしていろいろやってみる。
私「あっ、薄目にすると見える。見える見える! でも、帯は出てるけど、真下の方に落ちて、こっちには向かってこないよ」。
川「うーん。どっちかっていうと、カッと目を見開くのかもしれない」。
それからもいろいろやってみたが、どうしても私には見えなかった。
もしかしたら、川原さんだけに見えるものなのかもしれない。
注入の方法も、そういう見え方も、今日発見したんだそう。
すごいなあ。
川原さんは、「コンタクトだからかなあ… 」と言っていたけれど、どうなんだろう。

●2007年8月26日(日)晴れ

27日に帰国の予定が、昨夜の飛行機で中国から帰ってこれました。
12時頃うちに着いて、すぐに風呂に浸かり、スイセイとビールで軽く乾杯。
1時半には寝た。
今朝は、11時までしっかり眠った。
身も心も、ちゃんと帰ってきた実感がある。
お昼を食べて、荷物を片づけたり、洗濯をしたり、あちこち掃除。
ぞうきん掛けをしながら思ったのは、こんなこと。
トイレットペーパーの減り方や、台所のゴミや、部屋の埃の具合。
それらは、3日間だけ私が留守をしていたという実態で、気持ちの方も、ピタリと正確に合わさっている。
今回は短かったせいもあるかもしれないけど、私の気持ちが、地面に着地していたせいだと思う。
今までの中国は、半分夢のような、ふわふわした時間の流れ方をしていた。
だからその分無我夢中で、身も心も使い果たし、へとへとになって、めちゃくちゃに楽しかった。
まだなんとなく思うのだけど、仕事というのは、ここからが正念場なような気がする。
腹の底から、太い声がまっすぐに出てくるような仕事の仕方。
そこまでの道のりは、まだまだ遠いと思うけど… 。
さーて、今日は『まる子』と『サザエさん』だ。
『ウルルン』はないけど、NHKの『世界里山紀行』がある。
今夜はポーランドだそう。
夜ごはんは、塩豚ともやしとゴーヤの炒め物、さつま揚げ、冷ややっこ、そうめん。
夕方、調子にのってアイスやら豆を食べ過ぎた。
どうも胸焼けがするので、夜ごはんはスイセイひとりだけ。

●2007年8月25日(土)晴れ

■■■スイセイ留守ごはんX6・3日目■■■
朝ごはん:買い置きのパン。
昼ごはん:かけそーめん、パックのコーンポタージュ。
夜ごはん:食パン、納豆、ヨーグルト。

●2007年8月24日(金)曇り

■■■スイセイ留守ごはんX6・2日目■■■
朝ごはん:作り置き自家製蒸しパン。ジャム。
昼ごはん:昨夜の煮直し丼に、残り物のコロッケと刻みキャベツを入れてさらに煮直した。パンを浸した。
夜ごはん:フライビーンズが止まらない。

●2007年8月23日(木)曇り

あまり眠れなかったけど、5時にスッと起きられた。
スイセイはもうとっくに起きて、パソコンで何かやっている。
バス停まで送ってくれるそう。
では、中国に行ってきますだ。
小雨が降っていて、肌寒い。
■■■スイセイ留守ごはんX6・1日目■■■
今日は暑くない。
扇風機だけで過ごせそう。
朝を食べて、換気扇のフィルター掃除。
アルミのメッシュ・フィルターを60度のお湯に浸し、洗濯洗剤を大さじ1杯。そして1時間放置。
すると油が浮いてくる。
朝ごはん:作り置き自家製蒸しパン。
昼ごはん:冷たいかけそーめんにとろろをかけたの。
夜ごはん:残り物の中華うま煮に、カレーの固形を入れて煮直し丼。

●2007年8月22日(水)快晴夜になって小雨

今日もまた、暑いなあ。
それでもクーラーはつけずに、あれをやったりこれをやったり。
部屋の中を、始終行ったり来たりしていた。
旅の前って、何かとやることがある。
湧いてくるみたいに。
普段やらないことまでやってしまうからだ。
思い残すことがないように。
心のずいぶん下の方に、イクラの粒くらいの想いがプチッとある。
不謹慎だから、あまり触れないようにしているけど。
つまり、もしかしたら、帰ってこれないこともあるかもしれないっていうこと。
空の上を移動するなんて、もともと奇跡なのだからと、イクラが覚悟している。
写真を撮りながら、試作もやった。
1回目がうまくいかなくて、2回目でどうにか成功。
今朝は、たっぷり11時過ぎまで寝ておいたから、今夜眠れなくてもまあ大丈夫。
でも、早めに夜ごはんを食べ、早めに布団に入ろう。
夜ごはんは、中華うま煮(海老、イカ、塩豚、干し椎茸、ゴーヤ、白菜、人参)、水菜のおひたし、冷やしトマト、スーパーのコロッケ(千切りキャベツ)、玄米。
夜、台所の床を拭いているうちに、全部の床をぞうきん掛けすることになった。
スイセイのスリッパの裏側まで拭いた。
今日使った、布巾やタオルの洗濯もやる。

●2007年8月21日(火)快晴

布団を干す時に下を見たら、ハルが木陰で腹ばいになっていた。
あごの下までべったりつけて寝ているのは、きっと涼しいからだ。
でも、午後からは、ぐんぐん暑くなった。
あさってからの旅のパッキングをやる。
着替えを詰めたり、書類をまとめたり、下調べをしたり。
パソコンの部屋は、クーラーをつけないとやってられない。
夕方、走りにいく。
今日の夕暮れの空は、「レーザー光線みたいじゃの」。
雲のまにまに輝く、オレンジ色のスジのことだ。
半分歩いて、半分走った。
中央公園のグラウンドの周りに、「風の道」と呼んでいるところがある。
森を抜け、つきあたりを曲がったところで、途端に風が吹いてくる場所。
たっぷりとまとまった風。
だから、そこまで汗をかきかき頑張って走る。
曲がってから帽子をとって、両手を「大」の字にひろげ、体ぜんぶで風を受ける。
このやり方は、コーチ(スイセイ)に教わった。
水浴びして、夜ごはんの支度。
すり鉢でとろろ芋をすっていたら、目の前に半月が。
スイセイの風呂の音を聞きながら、ゴリゴリとする。
とろろ芋はスイセイの好物。
夜ごはんは、鯵の干物、塩豚とほうれん草の炒め物、冷やしトマト、刺し身蒟蒻(わかめ添え)、ゆで落花生(昨夜の残り)、ごぼうと蒟蒻と舞茸の炒り煮(残り)、玄米。



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