●2008年1月19日(土)晴れ
暖かい。
ぐっすり眠って12時に起きた。
洗濯物を干しながら空を仰ぐと、青い空にひとすじの飛行機雲が長く延びているところだった。
遠くの空へとぐんぐん延びてゆく。
もうすぐ、私もそこへ行くよ。
先っぽでキラリと光る飛行機に向って思う。
昨夜は、サン=テグジュペリの『人間の土地』を読んで寝たので、空の方が地面より近く感じる。
雲をつき抜けたところ。
雲海のはるか上の、明るく何もない真空地帯。
かろうじて地球だけれど、宇宙とのはざまにいる時、私の頭も遠くへ飛ばされる。
人間でなくて人類。
人類でなくて生命。
死とか。
高いところからのものさしで思ってしまう。
自分がシューッと縮んでゆく。
それで、ふと視線を戻すと、飛行機の内側では、スチュワーデスが急須を抱えてゆっくり歩き、乗客たちは新聞を読んだり、ビデオを見たりしている。
暖かく、平穏で、安全で、いつもと変わらないように見える場所。
ほんの少しだけ目まいがするのは、私だけ?。
しかし、そんな風になりながらも、地上に降り立ったとたん仕事モードにヒョイと移り変われる自分こそ、不謹慎なような気がする。
さて、ゲラの直しをお送りし、今日の仕事はこれで終わり。
あとで、ひさびさに走りにいこうかな。
4時にスイセイと出る。
無理はしないようにと思っていたが、なんでもなく走り通せた。
道路を横断する時、ベンツのジープを発見。
銀色で四角すぎなくて、ほどよい大きさでカッコイイ。
私はああいうのがいいんだけど、スイセイは本物の三菱ジープがいいらしい。
冷たい水を飲んで中央公園のグラウンドを横切る時、景色が大きくてスカッとした。
卵の黄身のような入り日を眺めながら、帰ってくる。
夜ごはんは、豚バラと大根の角煮(ゆでチンゲン菜添え)、ごま豆腐の生姜あん、切り干し大根、大根と三つ葉の味噌汁(昨夜の)、玄米。
風呂から上がってパジャマに着替え、ふとベランダに出てみると、星。
頭を上げると、月をかすめるようにして、白い龍のような飛行機雲が。
雲はまだ出来立てらしく、もやもやと動いている。
弧を描きながら、はるか向こうに延びてゆく。
|